弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言-取調べへの立会いが刑事司法を変える

日本の刑事司法制度が国際的水準に達していないことが、今、改めて国内外から批判されている。


もとより日本の刑事司法制度は変革を遂げつつある。例えば、被疑者は、勾留段階以降に国選弁護人の援助を受けることが可能になった。極めて低い勾留却下率は、僅かながらも改善の傾向を示している。取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)の義務化により、初めて取調室に光が差し込み、限られた事件ではあるものの、事後的な検証が可能になった。裁判員裁判の導入は、調書裁判と評される状況を改善し、直接主義・口頭主義に基づく公判審理を実現する可能性を開いた。


しかし、このような変革を経てもなお取調べを中核とする捜査や人質司法と呼ばれる身体拘束は日本の刑事手続の根幹であり続けている。多くの国・地域で認められている弁護人の取調べへの立会いは許されていない。捜査機関は、長時間の取調べを行い、取調官の見立てに沿った供述をするよう強要し、憲法で認められた被疑者の黙秘権の行使は今なお容易ではない。これまで国連の自由権規約委員会や拷問禁止委員会から繰り返し勧告等を受けていることから明らかなように、「我が国の刑事裁判はかなり絶望的である。」と評された日本の刑事司法制度は依然として抜本的な改善を求められている。


だからこそ、今、取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)の全件への拡大を実現するとともに、憲法で保障された弁護人の援助を受ける権利を実質的に確立するために、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を明定し、併せて取調べを受ける前に弁護士の助言を受ける機会を保障することが必要である。取調べへの弁護人立会いは、事後的な検証を可能とする取調べ全過程の録音・録画と相互に関連しながら、日本の刑事司法の根本を変える。被疑者に対する取調べが被疑者の目の前で監視され、不適切な発問に対し異議が申し立てられるとすれば、被疑者の主体性が確立される契機となる。取調室に弁護人が存在することは、捜査機関の違法・不当な取調べを抑止し、虚偽自白のリスクを低減させることができる。黙秘権の行使は容易になり、被疑者の供述の自由は真の意味で保障される。不必要な供述録取書が作成されることはなくなり、取調官の作文である捜査段階の供述録取書が公判で利用されることが抑制される。その結果、公判は捜査と切断され、直接主義・口頭主義に基づく公判審理がより一層実現される。取調べへの弁護人立会いは、将来的な課題ではなく、現実的な課題とされるべきである。


また、固く閉ざされてきた取調室の扉を開くためには、弁護士会において対応態勢を全国的に整備する取組を行うとともに、弁護人一人一人が、立会いにおける弁護人の役割や技術を研鑽し、捜査機関に対して立会いを求め、立会いが認められなかったときには供述録取書等の証拠能力を争っていくなどの弁護実践に地道に取り組むことが求められる。


当連合会は、刑事司法改革の最重要課題の一つが捜査段階における諸問題の改革にあると考え、また、刑事司法改革は弁護人自らがその手によって始めなければならないとの強い思いを抱いて、1989年の人権擁護大会において松江宣言(刑事訴訟法40周年宣言)を発し、刑事弁護センターの発足や当番弁護士による活動など積極的な刑事司法改革の取組を開始した。既に述べた大きな変革は、松江宣言からの30年間にわたる数多の弁護人の熱心な弁護実践の成果とこれを支える当連合会及び弁護士会の取組の成果である。そして、今後もEU諸国やアメリカ、韓国、台湾など海外の最新の動向を調査するよう努めながら、憲法や国際人権法に照らして、日本の刑事司法制度の現状や問題点を不断に検証し、改革を追求し続けていく所存である。


以上を踏まえて、当連合会は、取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)の全件への拡大を実現するとともに、憲法で保障された弁護人の援助を受ける権利を実質的に確立するために、取調べを受ける前に弁護士の助言を受ける機会の保障、逮捕直後からの国選弁護制度の実現、身体拘束制度の改革(身体不拘束原則の徹底、勾留に代わる住居等制限命令制度の導入、起訴前保釈の導入、身体拘束期間の短縮、取調べ時間の規制など)、起訴前を含む証拠開示制度の拡充と併せて、弁護人を取調べに立ち会わせる権利の確立の実現に向けて全力を挙げて取り組むことを決意するとともに、

国に対し、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者又は弁護人の申出を受けたときは、弁護人を取調べ及び弁解の機会に立ち会わせなければならない旨を刑事訴訟法上に明定するよう改正すること
検事総長及び警察庁長官に対し、前記1の法制化がなされるまでの間、各捜査機関の捜査実務において、被疑者又は弁護人が求めたときは、弁護人を取調べ及び弁解の機会に立ち会わせること

を求める。


当連合会は、刑事訴訟法施行70周年、松江宣言30周年、裁判員裁判施行10周年に当たり、以上のとおり宣言する。


 

2019年(令和元年)10月4日

日本弁護士連合会

 

提案理由

1 はじめに

日本の刑事司法制度が国際的水準に達していないことが、今、改めて海外から批判されている。


もとより取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)を義務付ける改正刑事訴訟法の成立と施行は大きな成果の一つであり、日本の刑事司法制度は変革を遂げつつある。


しかし、日本の捜査機関、そして裁判所は弁護人を取調べに立ち会わせる権利を認めていない。日本国憲法が保障する弁護人の援助を受ける権利(憲法34条、37条3項)や黙秘権(憲法38条1項)に照らせば、弁護人は取調べに立ち会うことが認められるはずである。犯罪の嫌疑をかけられた被疑者が最も弁護人の援助を必要とするのは、取調べの場面である。多くの国・地域においては、弁護人が取調べに立ち会うことは当然に認められている。また、これまで国連の自由権規約委員会や拷問禁止委員会から繰り返し勧告等を受けていることから明らかなとおり、「我が国の刑事裁判はかなり絶望的である」と評された日本の刑事司法制度は依然として抜本的な改善を求められている。


今後、取調べ全過程の録音・録画の全件への拡大を実現するとともに、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を明定し、併せて取調べを受ける前に弁護士の助言を受ける機会を保障することが残された喫緊の課題である。


2 刑事司法の現状とこれまでの成果

(1) 松江宣言

当連合会は、1989年人権擁護大会で刑事訴訟法40周年宣言(以下「松江宣言」という。)を発した。松江宣言は、1980年代に相次いだ4件の死刑確定者に対する再審無罪事件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)等に言及しつつ、日本の刑事手続は、日本国憲法の理念、世界人権宣言、国際人権(自由権)規約等の国際人権法に反する憂慮すべき現状にあることを繰り返し指摘し、憂慮すべき現状を打開し改革するには、弁護人が原則的かつ積極的な弁護活動を行うとともに、弁護士会が積極的な役割を果たすべきであるとした。
 

松江宣言を受けて、1990年に日弁連刑事弁護センターが設置され、1990年から1992年にかけて全国で当番弁護士制度が発足し、同年、財団法人法律扶助協会が刑事被疑者弁護援助制度を開始した。1995年、当連合会は当番弁護士等緊急財政基金を創設して、両制度を支えることとなり、その実績は年々拡充していった。


なお、弁護人の援助を受ける権利の中核的権利である接見交通権について、かつてはいわゆる一般的指定制度によって接見妨害がなされていたが、当連合会は、国家賠償請求訴訟の全国での提起とその勝訴判決の獲得を経て、法務省との協議によって、上記制度を撤廃するなどの成果を獲得した。


(2) 前橋宣言

松江宣言の10年後、1999年人権擁護大会で「新しい世紀の刑事手続を求める宣言-刑事訴訟法施行50年をふまえて-」(以下「前橋宣言」という。)を発した。
 

前橋宣言は、松江宣言以降の状況を踏まえつつ、21世紀を迎えるに当たっての刑事手続改革の展望を切り開こうとしたものであり、具体的には、捜査の可視化、人質司法の打破、国民の司法参加、被疑者国選弁護制度という諸課題を提起した。


(3) 2004年改正と和歌山宣言

2001年、司法制度改革審議会は、裁判員制度導入を始めとする刑事司法改革の具体的提言をした。これらは2004年に法制化され、2005年11月に公判前整理手続が、2006年10月に被疑者国選弁護制度が施行され、2009年5月には裁判員制度が施行されるとともに、被疑者国選弁護の対象事件がいわゆる必要的弁護事件にまで拡大した。


これは、現行刑事訴訟法が1949年に施行されて以来の大改革であり、前橋宣言の内容が一部実現したという点でも意義のあるものであった。


そこで、当連合会は引き続き、2004年改正で実現できなかった取調べの可視化、人質司法の打破、証拠の全面的開示などの課題への取組を展開して、2009年人権擁護大会において「取調べの可視化を求める宣言-刑事訴訟法施行60年と裁判員裁判の実施をふまえて-」(和歌山宣言)を発し、取調べの可視化を直ちに実現するよう求めた。


(4) 2016年改正

その後も、えん罪事件は後を絶たず、また、過去の誤判が明らかになった。氷見事件(2007年)や志布志事件(同年)の無罪判決、足利事件(2010年)や布川事件(2011年)の再審無罪判決はその典型例である。これらえん罪事件のほとんどが、密室での取調べによる虚偽自白に起因するものであった。


さらに、2010年にはいわゆる郵便不正事件について無罪判決が確定し、検察官の証拠の捏造が明らかとなったことを契機に、法務大臣の諮問機関として「検察の在り方検討会議」が設置され、同会議の提言を経て、2011年、取調べの可視化の制度化を軸とした法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」での議論が開始された。その結論に基づき、2016年に戦後2度目の刑事訴訟法の大改正が行われた。


2016年改正の内容には、①取調べの可視化(取調べ全過程の録画・録音)の導入、②被疑者国選弁護制度の全勾留事件への対象拡大、③検察官保管証拠の一覧表交付など証拠開示の拡充などが含まれていた。当連合会が長年にわたり求めてきた取調べに対する規制が導入され、取調べ可視化制度が導入されたことは刑事手続の大きな転換を図る契機となる意義ある改革であった。しかしながら、この改正では、取調べの可視化の対象事件が裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件という一部にとどまっている。また、逮捕段階での国選弁護制度が見送られたこと、証拠一覧表の開示も証拠開示に有効に機能する設計となっていないことなどの課題も残された。さらに、通信傍受制度の拡大に伴い、補充性・組織性の要件が厳格に解釈運用されるかどうか厳しく注視するとともに、新たに導入された合意制度についても、引き込みの危険等に留意しつつ、新たな制度が誤判原因とならないよう、合意に基づく供述の信用性がどのように判断されるか等を注視していくことが必要である。

 

 

3 日本の捜査・身体拘束の実情と弁護人立会いによる改革の必要性

(1) 日本の捜査・身体拘束の実情

既に述べたとおり、当連合会や全国の弁護士会の運用改善と制度改革に対する取組と弁護人一人一人の弁護実践によって、日本の刑事司法制度は大きな変革を遂げつつある。しかし、現在もなお取調べを中核とする捜査や人質司法と呼ばれる身体拘束の在り方は、日本の刑事司法の病巣であり、その根幹であり続けている。


まず、逮捕状の審査は安易になされていると言わざるを得ない。2017年に裁判官が逮捕状の請求を却下した割合は0.1%(55人)にすぎない。また、逮捕については不服申立てをすることもできず、逮捕の理由や必要性の根拠とされた資料を事後的に確認する権利も認められていない。


勾留についても同様である。運用改善の傾向が見られるとはいえ、2017年に検察官の請求に対して裁判官が勾留請求を却下した割合は、その総数の3.9%にとどまっている。また、被疑者勾留期間は原則として10日間であり、「やむを得ない事由」があるときに限り、検察官の請求により勾留期間を延長することが認められている。しかし、2017年に被疑者の勾留人員総数のうち64.4%について勾留期間延長の申請がなされ、そのうち、裁判官が勾留期間延長請求を却下したのは0.2%(137人)であり、上記の原則と例外が逆転した運用がなされている。しかも、起訴前の保釈制度がなく、また、家族を始めとする外部とのアクセスも接見禁止によって遮断されることが少なくない。


逮捕・勾留中の取調べについては、密室の中で、長時間・多数回・長期間にわたって行われる実情に変わりはない。犯罪の嫌疑を認めさせるための威圧的な取調べや利益誘導を試みる取調べは今なお存在する。確かに取調べの可視化が義務化され、取調べが客観化されたことにより、露骨な暴力や虚偽、利益誘導は少なくなる傾向にあるとしても、その対象が刑事裁判全体の3%未満にとどまることに留意しなければならない。捜査機関による黙秘権の告知は形式的であり、実際に被疑者が黙秘権を行使することは容易ではなく、仮に黙秘権の行使をしても、捜査機関が取調べを中断したり、終了することはない。むしろ黙秘権を行使する理由を問い、黙秘権行使を助言する弁護人を批判し、会話を引き出す工夫をこらしながら、捜査機関の見立てに沿った供述を迫る。


勾留中の被疑者は、生活の全てを捜査機関に支配され、食事や排泄などの基本的な行動すら自由にはできない。そのような関係の中で、いつしか「支配-被支配」の構造が生まれ、被疑者は目の前の支配者である取調官に迎合してしまう。


このように、逮捕・勾留の期間は被疑者にとって「絶望的」な23日間である。とりわけ、被疑者が犯罪の嫌疑を争うと、勾留及び勾留延長における逃亡や罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由の判断に際して不利益に取り扱われる運用がなされてきた。その結果、被疑者に対して甚大な精神的苦痛と身体拘束がいつまで続くか分からないという恐怖心を与え、身体拘束の早期の解放と引き換えに、虚偽の自白をさせる誘因となってきた。このような運用は、起訴後の保釈の運用の在り方ともあいまって、いわゆる「人質司法(”hostage justice” system)」と評され、今もなお日本の刑事司法の特徴を的確に言い表すものとして、今般、改めて国内外に周知されるに至った。


なお、在宅事件においても、取調べを拒否すれば、逮捕のリスクが高まり、それがゆえに取調べに応じることを強いられる。そして、不本意で不利益な陳述を記した供述調書が作成され、結局逮捕されるという事件もある。「任意」とは名ばかりの「強制」的な捜査、取調べが行われているのである。


以上のとおり、可視化を始めとする改革が実現されてもなお、日本の身体拘束制度・取調べ時間・取調べ実務を前提とすれば、被疑者の供述の自由を確保することは困難な状況であり、虚偽の供述を生み、えん罪を引き起こす危険は依然として小さくない。だからこそ、今、憲法で保障された弁護人の援助を受ける権利を実質的に確立し、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を刑事訴訟法に明定し、併せて取調べを受ける前に弁護士の援助を受ける機会を保障することが必要である。
 

(2) 弁護人立会権の確立に向けて
ア 弁護人立会権の根拠

(ア) 必要性

2010年にいわゆる郵便不正事件で無罪判決が確定した村木厚子氏は、検察の在り方検討会議において、以下のように述べた。


「弁護人の立会いについてでございますが、私も取調べを20日間受けて、これは、取調べというのは、リングにアマチュアのボクサーとプロのボクサーが上がって試合をする、レフェリーもいないしセコンドも付いていないというふうな思いがいたしました。いろいろな改革の方法はあるでしょうけれども、せめてセコンドが付いていただけるというだけでも、ずいぶんまともな形になるのではないかというふうに思いますので、弁護人の立会いは大変重要だと思います。」


村木氏が述べるとおり、取調室の中での「支配-被支配」関係を打破し、取調官と被疑者との関係を対等に近づけるためには、弁護人の援助を受ける権利が実質化され、弁護人が被疑者の側で取調べに立ち会う権利が認められることが必要不可欠なのである。


その必要性は、被疑者が少年である場合や知的障がいがある場合は更に顕著となる。未熟で、言語能力が低く、自己防衛力に乏しい少年や、被誘導性・迎合性の高い知的障がいがある被疑者にとって、供述の自由を確保することは困難な状況であり、虚偽の供述を生み、えん罪を引き起こす危険は一層大きいのであって、弁護人の援助なくして取調べにおける自己の権利を守ることは到底不可能である。
 

(イ) 憲法上の根拠

弁護人を取調べに立ち会わせる権利は、憲法上、弁護人の援助を受ける権利(憲法34条、37条3項)や黙秘権(憲法38条1項)等を主な根拠として、当然に認められるべきものである。


弁護人の援助を受ける権利(弁護人依頼権)はもとより実効的なものでなければならず、弁護人の助言その他の援助を最も必要とするのは、捜査機関と直接対峙し、供述を求められる取調べの場面である。弁護人を取調べに立ち会わせる権利を認めないことは、憲法上の弁護人の援助を受ける権利を不当に制限するものと言わざるを得ない。現に、EU諸国(イギリス・ベルギー・オランダ・ドイツ・フランス等)だけではなく、アジアにおいても韓国・台湾などは、弁護人の援助を受ける権利を根拠として、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を認めている。


また、取調べにおいて、供述の強要を防止するためには、黙秘権を実質的に保障し、自由に黙秘権を行使できる状況を確保することが必要である。とりわけ本来的に強制性を有する身体拘束段階以後の取調べにおいて、この要請は更に高まるから、弁護人を取調べに立ち会わせる必要性も大きくなる。この点は、アメリカのミランダ判決においても指摘されているところである。
 

なお、刑事訴訟法上、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を否定する規定は存在しない。むしろ、犯罪捜査規範には、弁護人の立会いを前提とする規定が置かれている(犯罪捜査規範180条2項)。


(ウ) 自由権規約委員会等による勧告
日本において取調べにおける弁護人の援助を受ける権利が実質的に保障されていないことについては、これまでも繰り返し国連の諸機関からも勧告等を受けてきた。日本は、条約の締結国として、これらの勧告を真摯に受け止め、実現していく責務がある。


具体的には、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の実施状況を監督する自由権規約委員会は、これまで、取調べにおける弁護人の立会いを保障するよう日本政府に求めてきた。まず、同委員会は、2008年10月の総括所見において、真実を明らかにするよう被疑者を説得するという取調べの機能を阻害するとの理由で取調べにおける弁護人の立会いが認められていないことについて懸念を表明し、自由権規約14条が保障する被疑者の権利を保障するために、全ての被疑者に弁護人が立ち会う権利を保障すべきであると勧告した(19項)。また、2014年7月にも、日本政府の第6回定期報告に関して採択した総括所見においても、逮捕時から弁護人を依頼する権利を保障することのほか、弁護人が取調べに立ち会うことを保障するよう日本政府に求めた(18項)。


そして、拷問禁止委員会も、2013年5月の総括所見において、日本の刑事司法制度が、弁護人不在のまま代用監獄収容中に得られた自白に大きく依拠していることや、全ての取調べにおいて弁護人の立会いが義務付けられていないことについて懸念を表明した(11項)。


これらの国際的批判は、国家間の移動がかつてよりも容易になり、多国間をまたぐ犯罪も頻繁に発生する現代において、自国民の他国での刑事手続における扱いに、諸国が無関心でいられなくなった結果でもある。かかる状況下で、刑事司法の分野において、日本だけが著しく低い水準にとどまることは許されない。


(エ) 海外の状況
弁護人の援助を受ける権利、特に弁護人の取調べへの立会権は大陸法か英米法かを問わず、多くの国・地域で確立した権利として承認されている。


アメリカでは、連邦最高裁判所による、1966年のいわゆるミランダ判決において、身体拘束下の取調べにおける黙秘権保障のために、不可欠な権利として弁護人を取調べに立ち会わせる権利が認められた。具体的には、身体拘束下の取調べに先立ち、捜査機関に対し、①黙秘権、②供述が不利な証拠となり得ること、③弁護人を取調べに立ち会わせる権利及び④公選弁護人の援助を受ける権利の告知を要求し、被疑者が黙秘権又は弁護人を取調べに立ち会わせる権利を行使した場合には、捜査機関は取調べを直ちに中断しなければならないことを明示したものである。その後、2000年に、連邦最高裁判所は、ミランダ判決が示した法則は立法によって変更することのできない憲法上の法則であるとの判断を示し、ミランダ判決の有効性が改めて確認された。実際、実質的な身体拘束以後の最初の取調べに際し、弁護人立会権等を告げるミランダ警告が行われ、被疑者が弁護人の立会いを求めれば、以後の取調べは一切行われないという実務が定着している。


EU諸国においては、欧州人権裁判所は、いわゆるサルドゥズ判決(2008年)において、「弁護人へのアクセスは、具体的事情から見て、その権利を制約すべきやむに已まれぬ理由が立証された場合を除き、原則として警察による最初の被疑者取調べの時点から保障されなければならない。」「警察による身体拘束中に弁護人へのアクセスが認められなかったことは、申立人の防御権を回復不可能なまでに害することになる。」と判示した。そして、2013年EU指令3条3項(B)は、弁護人にアクセスする権利として、「加盟国は、被疑者・被告人が質問を受ける際に、弁護人が立会い、効果的に参加する権利を保障しなければならない。」と定め、2016年11月27日までに、EU加盟国が同指令を国内法化することを義務付けた。2009年に公表された調査研究によれば、欧州人権条約締約国とは一致しないが、EU加盟国26か国(当時)のうち、22か国において、警察取調べに先立つ弁護人との接見の機会が保障され、同じく22か国において、警察取調べ中の弁護人立会権が認められているとされている。また、当連合会の調査の限りにおいても、少なくともイギリス・ベルギー・オランダ・フランス・ドイツにおいては、運用上の差異はあれども、弁護人を取調べに立ち会わせる権利が確立され、弁護人が取調べに立ち会うという実務が定着している。


さらに、日本と類似の刑事司法制度を有する韓国においても、2003年11月11日、大法院は、「拘禁された被疑者は、(中略)訊問を受ける際に弁護人の立会いを要求することができ、このような場合、捜査機関はこれを拒否できないと解するべき。」と判示した。また、2007年の刑事訴訟法改正において、「訊問に参与する弁護人は、訊問後に意見を陳述することができる。ただし、訊問中であっても、不当な訊問方法に対して異議を提起することができ、検事又は司法警察官の承諾を得て意見を陳述することができる。」との意見陳述権、異議申立権を認めた(韓国刑事訴訟法243条の2)。そして、被疑者が弁護人を取調べに立ち会わせる権利を行使したにもかかわらず捜査機関が取調べを続けた場合の効果について、大法院は、2013年3月28日、被疑者が弁護人を取調べに立ち会わせる権利を行使する旨を表明した場合に、取調べを継続することは違法であると判断し、その取調べで作成された供述調書の証拠能力を否定した。


また、台湾においては、1982年の刑事訴訟法の改正により、弁護人を取調べに立ち会わせる権利が明文化され、2000年には、弁護人が取調べ中に発言できることが規定された。さらに、2013年には、被疑者又は被告人が弁護人の選任を表明した場合には、取調べを直ちに止めなければならない旨が規定された。


(オ) 反対意見について
しかしながら、これまで捜査機関も日本政府も、弁護人を取調べに立ち会わせる権利については、否定的な立場を採っている。その論拠は、大きく以下の4点に集約される。


まず、①被疑者と信頼関係を築き、被疑者から真実の供述を得ることにより事案の真相を解明するという取調べの本質的機能が阻害されるおそれがあること、②捜査方法や情報源等が逐一弁護人に知られることを避けるために、取調官が被疑者に対して十分な質問を行えなくなること、③限られた身体拘束期間内に迅速に十分な取調べを遂げることが困難となることという点である(第1回政府報告に関する拷問禁止委員会の最終意見に対する日本政府コメント(仮訳)・第2回政府報告に関する拷問禁止委員会からの質問に対する日本政府回答(仮訳))。また、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会においても、④取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に減退させることとなるおそれが大きく、取調べの機能や取調べ以外の証拠収集手段の在り方等の相違を無視して海外と比較するのは相当ではないなどの反対意見が述べられた。


しかし、いずれの反対意見も、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を論理的に否定するものとはなり得ない。すなわち、①そもそも対立当事者である取調官と被疑者が、「信頼関係」を築いているという実証的な研究はなく、むしろそのような取調官の思い込みが、虚偽自白によるえん罪の温床となってきたことは、過去のえん罪事件からしても明らかである。②取調中の質問で現れる情報は、弁護人は接見を通して被疑者から聞き取ることが可能である上、起訴後になるものの、可視化記録媒体によって明らかになることであって、立会いを認めることによる弊害とは言えない。③身体拘束は取調べを目的としてなされるものではない上、そもそも被疑者及び被告人は黙秘権を有しているのであるから、そのことは、弁護人の立会いを妨げて取調べを行うことを正当化する理由とならない。また、④弁護人の援助を受ける権利や黙秘権は憲法上の権利であり、本来的に取調べは、被疑者に黙秘権が行使されればそれ以上は供述を得ることができなくなることが所与の前提であり(このことは海外と共通の事情である。)、日本独自の「取調べの機能」を根拠として制約することは許されない。


なお、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会の「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」においては、「被疑者の取調べに弁護人を立ち会わせることを被疑者の権利として認める以上、どのような事情であれ弁護人が立ち会えなければ取調べを行うことができないこととなる」との意見が指摘されている。この意見は、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を認めることになれば、弁護人の立会いなくして取調べを行うことができなくなるはずであり、現在の取調べ実務と余りに乖離することとなるとして、弁護人の立会いを認めることに消極的な立場から指摘されたものである。しかし、変わるべきは、取調べに重きを置いている現在の実務の在り方であって、弁護人の援助を受ける権利の重要性に鑑みれば、被疑者が弁護人の立会いを申し出又は弁護人の申出を受けて立会いを希望しているときは、弁護人が現実に立ち会わない限り、取調べを行うことができない制度でなければならない。


以上のとおり、現在一般に主張されている反対論はいずれも説得的根拠を欠くものであり、弁護人の援助を受ける権利、とりわけ弁護人を取調べに立ち会わせる権利を一切の妥協の余地なく認めようとしない日本の捜査機関の対応は、国際的水準からすればもはや異常というほかない。現行刑事訴訟法の下でも立会権は認められるべきであるが、現在の捜査実務において、被疑者の権利保障が十分になされていない実情を直視するならば、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を刑事訴訟法に明定する必要性は極めて高い。


イ 立会権の内容

その際に定められるべき弁護人の立会権は、少なくとも以下の内容の権利として確立されるべきである。


まず、黙秘権と同様に、被疑者には弁護人の取調べへの立会いを求める権利があることが、取調べ前(身体拘束の有無を問わない。)に告げられなければならない。


また、被疑者が弁護人の立会いを求めた以上は、直ちに弁護人にこれを伝え、弁護人が選任されていなければ、直ちに選任できるようにしなければならない。


そして、被疑者が弁護人の立会いを求めた以上は、弁護人が現実に立ち会わない限り、捜査機関は取調べを中断しなければならない。この点、海外の例を見ると、弁護人が取調室に来るまでの一定時間の中断のみを容認するなど、捜査権との調整において、制度的にも理論的にも、様々なものを想定し得るが、長期間、長時間にわたって継続的に行われ、黙秘権の実効的行使を著しく妨げる現在の日本における取調べの運用を前提とする限り、立会権を実効的に保障するためには、立会いなき取調べの中止は必須の前提条件である。


加えて、弁護人が取調べを受けている被疑者に助言をし、取調官の違法又は不当な言動に対して意見を述べることができなければならない。もとより被疑者又は弁護人が求めた際には、いつでも取調べを終えるよう求めることができ、また、秘密接見の上で助言をする機会が与えられなければならない。


さらに、被疑者ないし弁護人が立会いを求めているにもかかわらず、これを無視して取調べがなされ、供述調書が作成された場合は、弁護人の援助を受ける権利ないし黙秘権を侵害する重大な違法であるから、当該取調べにおける供述録取書等及びこれに基づいて得られた証拠は、証拠能力が否定されなければならない。


ウ 刑事司法改革の鍵となる弁護人立会い

取調べへの弁護人立会いは、取調べにおける供述の自由を確保するとともに、日本の刑事司法の根本を変える原動力となり得るものである。


まず、弁護人が取調室に入ることで、被疑者にとっては、弁護人の存在そのものが、逮捕によって隔絶された社会とのいわば給気口になり、取調べの強制性は相当程度緩和することができる。そして、違法、不当な言動に対して意見を述べることで、この効果は一層大きなものとなる。また、被疑者の供述の自由が確保され、あまたのえん罪事件の温床となってきた虚偽自白のリスクは圧倒的に低減される。そして、黙秘権の行使は容易になり、黙秘権の行使をしない場合でも、供述内容は必要にして十分な量にコントロールすることが可能になる。これらによって、公判立証における供述調書への依存は抑制され、捜査と公判は切断され、直接主義・口頭主義に基づく公判審理がより一層実現される。


そもそも、近時、公判においては被告人質問が被告人の供述調書の証拠調べより先行してなされ、そのことによって供述調書の必要性が否定されるという運用が定着しつつある。本来有罪・無罪を決め、量刑を決めるに当たっては、捜査機関が大量の調書を作成する必要性はない。そして、多くの事件で23日もかけて供述調書を作り続けるという悪しき慣習が改善されれば、取調べ時間が短縮化されることが期待できる。これらは立会いによって、供述の自由が確保されることの当然の帰結である。さらに、取調べへの弁護人立会いに伴い、捜査は「供述証拠から物証へ」とシフトされ、事実上、勾留期間を短縮する効果を有する。


エ 弁護人立会いに必要な諸制度

まず、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を実現するに至る過程において、そしてそれが実現された後においても、取調べの可視化は、弁護人を取調べに立ち会わせる権利の確立と関連して、弁護人の援助を受ける権利の確立のために必須の制度であり(ミランダ判決の下で取調べの録音録画制度を導入したアメリカの状況が、このことを示唆している。)、全件への拡大に向けた取組は最優先課題である。


取調べの可視化は弁護人立会いとは異なる重要な機能として、全面的な検証可能性を有する。弁護人立会いにおいて取調べでなされた会話の一言一句を記録することは不可能であるし、客観的な記録がなければ、立証段階における水掛け論を防ぐこともできない。2019年6月から改正刑事訴訟法に基づき一部の事件で取調べの録音・録画が開始されたが、対象事件の範囲や例外事由の存在等不十分なものがある。また、虚偽供述によってえん罪が生まれる構造は、被害者等の参考人の事情聴取においても同様である。当連合会が、義務的対象事件の範囲を在宅事件や参考人を含む全件に拡大するために尽力していくことは言うまでもない。


次に、弁護人の取調べへの立会いを実現することに加えて、初回取調べ(弁解録取)に先立つ弁護士の接見の機会を確保し、被疑者国選弁護制度を逮捕段階に拡大することが必要である。


弁護士が初回取調べに先立って接見の機会の確保ができなければ、事案の中身や被疑者の意向、利益を確認しないまま援助(立会い)をすることとなり、それは弁護人の援助を受ける権利が実質的には侵害されていると評価されるべきである。もとより逮捕直後に弁護士が接見に赴くための態勢作りは、当連合会としても喫緊の課題となる。しかし、現段階の実務運用では、弁護士会の態勢いかんにかかわらず、捜査機関は弁護士の到着を待つことなく弁解録取を開始するため、実際に初回の取調べ前に接見の機会を得ることはできない。かかる実務運用は、弁護人の援助を受ける権利を実質的に侵害するものであり、今後改められなければならない。


また、被疑者国選弁護制度を身体拘束初期の最も重要な時期である逮捕段階に拡大することが必要であり、弁護人の援助を受ける権利の確立のためには、逮捕段階の国選弁護制度は弁護人を取調べに立ち会わせる権利と言わば両輪をなす。



4 刑事司法制度のその他の諸課題

弁護人を取調べに立ち会わせる権利の確立が実現された場合においても、刑事司法制度の多岐にわたる諸課題が残されており、いずれも運用改善と制度改革が必要となるが、ここでは、特に捜査段階における身体拘束の問題と全面的証拠開示を取り上げることとする。


(1) 人質司法の解消及び改善

まず、人質司法と評される身体拘束の在り方の解消及び改善である。身体拘束それ自体が重大な権利侵害であることに鑑みれば、できる限り身体拘束をせずに捜査を継続する「身体不拘束原則」が徹底されなければならない。近時、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由について、具体的現実的危険の有無で判断する最高裁判例(最一決平成26年11月17日、最二決平成27年10月22日等)が出ているが、まだまだ不十分であり、弁護人一人一人が、勾留阻止の働きかけや準抗告等を通じて、現在の運用を改善するとともに、法解釈の見直しを迫らなければならない。代用監獄制度の廃止に向けた努力も引き続き必要である。


次に、起訴前勾留の期間の見直しも必要である。身体拘束は捜査機関が罪証隠滅及び逃亡を防止して証拠収集するための期間であって、取調べを目的とするものではない。身体拘束期間が海外の例と比較して長期間であることは、これまでも指摘されている。現在の刑事訴訟法は、70年前の社会情勢を前提としているが、捜査機関の収集する証拠のうち、メールやウェブ閲覧履歴、写真、防犯カメラ映像等の電子的データの形態を採るものが近時増加している。そのような現状に鑑みたときに、23日もの長期に及ぶ身体拘束期間は見直されるべきである。


また、身体不拘束原則の徹底のために、具体的には、勾留に代わる住居等制限命令制度や起訴前保釈制度が導入されるべきである。例えば、起訴前保釈制度の実現ができれば、身体拘束からの早期解放により在宅捜査となり、身体不拘束原則が徹底され、捜査機関にとっても罪証隠滅行為に対するサンクションを設定することが可能となり、メリットもある。


そして、取調べの1事件当たりの時間及び時間帯にも規制を設けるべきである。長時間の取調べや深夜にわたる取調べは、心身の疲労により正確・適切な供述を困難にし、取調べを受けることについての自由意思の確保も危うくし、えん罪を生じさせる遠因となるものである。


さらに、弁護人の援助を受ける権利の中核とも言える接見交通権が完全に保障されている状況とは言い難い。特に、秘密交通権、中でも「物の授受」に関する秘密交通権が確保されておらず、面会室内で証拠を保全する目的で写真撮影をすることなどはいまだ制約されており、これらについても早急に改善されなければならない。


(2) 全面証拠開示の実現

公判前整理手続の導入により、二段階証拠開示が認められ、検察官手持ち証拠の一部が開示されるようになった。また、2016年改正における証拠一覧表の交付によって、証拠の全容を把握するための補助的資料を得られるようになった。


しかし、本来、国民主権の発現たる捜査権を用いて収集した証拠は公共財であって、捜査機関のみが独占することは許されず、全面的な証拠へのアクセスが認められるべきである。また、一覧表も証拠の表題だけを記載する運用が一般的であり、およそ証拠の内容について推測すらつかないものも多く、証拠の全容を把握するための助けにならないものも多々存在する。さらに、現在の制度では、検察官が被告人に有利な証拠を隠したとしても、それを発見する契機がなく、司法の透明性の観点からしても望ましい状況にはない。証拠開示の時期的な問題だけにとどまらず、量的側面についても、早期の制度改革が必要である。


5 まとめ

以上のとおり、これまでの当連合会の取組と成果を俯瞰した上で、日本の刑事司法制度は依然として抜本的な改善が求められていること、また、憲法や国際法に照らして、その改革の鍵となる弁護人を取調べに立ち会わせる権利が明定されなければならないことを指摘した。


他方で、日本の刑事司法制度の特異性を前提とすると、弁護人を取調べに立ち会わせる権利を認める立場がむしろ特異であるとの評価を下す向きもあるかもしれない。また、現状との大きな差異を前に、弁護人を取調べに立ち会わせる権利の確立を躊躇し懸念する声もあり得る。


しかし、「絶望的」と評された刑事司法を変革するために、当連合会、弁護士会及び弁護人一人一人が長きにわたり不断に努力し、当番弁護士制度の発足や被疑者国選弁護制度の全勾留事件への対象拡大に伴う対応態勢の実現など、困難な現状を克服し、様々な成果を獲得してきた。そして今、新たな刑事司法制度の下で、黙秘権の行使についての適切な助言の意義が大きくなるなど刑事弁護の真価が問われる時代が到来している。もとより弁護人を取調べに立ち会わせる権利の確立を目指す途上にあっても、弁護人一人一人が最善の弁護活動をすることによって被疑者の権利を最大限擁護していく弁護実践が必要であり、当連合会及び各弁護士会は、刑事弁護活動の質の確保のための態勢を主体的に更に整備していくことが求められている。


当連合会は、刑事訴訟法施行70周年、松江宣言30周年、裁判員裁判施行10周年に当たり、刑事司法制度を改善するためにこれまでに発出してきた2018年4月13日付け「弁護人を取調べに立ち会わせる権利の明定を求める意見書」など幾多の意見書等を踏まえ、次の時代に向けて、被疑者・被告人の権利を擁護し、弁護人の援助を受ける権利を確立するために、本文に記載のとおり決意し、ここに宣言するものである。