多民族・多文化の共生する社会の構築と外国人・民族的少数者の人権基本法の制定を求める宣言

現在の日本には、朝鮮や台湾などの旧植民地出身者とその子孫、移住労働者とその家族などの外国人が、多数居住し生活している。また、外国籍であったがその後日本国籍を取得した人々、国際結婚などにより出生し日本国籍を取得した子ども達など、民族的少数者の地位にある人々も増加し、多民族・多文化への傾向は急激に進展している。


ところが、戦後日本の外国人法制は、出入国管理法や外国人登録法などにより外国人を管理することを主眼とし、また、民族的少数者の人権に関する法整備はなされてこなかった。


このような状況下で、日本においては、極めて少ない難民認定者数に象徴されるように国際人権条約上も保護されるべき外国人が入国や在留を認められなかったり、入店・入居拒否などの差別や公人による差別発言が問題となったり、民族的アイデンティティを保持するための教育が十分に保障されていないなど、外国人や民族的少数者の人権が多くの場面で侵害されている。


よって、当連合会は、国及び地方自治体に対し、下記の内容を骨子とする外国人・民族的少数者の人権基本法や条例を制定するとともに、多民族・多文化の共生する社会を推進するための部局を設置して必要な施策を実施することを求める。


なお、上記施策を実施するにあたっては、植民地支配の結果として日本での生活を余儀なくされた旧植民地出身者とその子孫についての歴史的経緯を考慮し、併せて、戦後補償をはじめとする植民地支配の清算を早急に実行すべきである。


  1. 外国人に対しても基本的人権を原則として等しく保障し、さらに、民族的少数者固有の権利を確立すること。
  2. 永住外国人等への地方参政権付与をはじめとする立法への参画、公務員への就任などの行政への参画、司法への参画を広く保障すること。
  3. 医療・年金・生活保護その他社会保障制度全般について、外国人に対しても可能な限り日本人と同様の保障を及ぼすこと。
  4. 外国人労働者につき、労働法制に基づく権利を実質的に保障すること。
  5. 外国人女性などの人身取引、ドメスティック・バイオレンスなどの被害を防止し、被害を受けた人々の救済のための施策を充実すること。
  6. 国際人権条約上保護されるべき難民、家族、女性、子ども及び人道上の配慮を要する外国人の在留の安定に向けた諸施策を講じるとともに、入管手続全般につき適正手続保障と透明性確保に努めること。
  7. 外国人の子どもへの日本語教育の充実等の施策を行うとともに、公教育における母語・母国語等の教育の機会や、民族学校、外国人学校を含む多様な教育の機会を制度的に保障すること。
  8. 人種差別禁止のための法整備を行い、その実効性を確保するために政府から独立した人権機関を設置するとともに、差別禁止と多文化理解に向けた人権教育を徹底すること。

当連合会は、上記の施策の実施に積極的に関与・協力するとともに、外国人及び民族的少数者の基本的人権を確立することを通じて、お互いの違いを認め合う豊かな多民族・多文化の共生する社会を築き上げるべく全力を尽くす決意である。


以上のとおり宣言する。


2004年(平成16年)10月8日
日本弁護士連合会


提案理由

1 日本における外国人の状況

日本における外国人登録者数は、2003年末現在で過去最高の191万5030人に達した。10年前の1993年末と比べて45パーセントの増加、日本の総人口に占める割合も1.5パーセントとなり、外国人登録者の国籍(出身地)の数は、186か国に上っている。このほか、外国人登録をしていない外国人も少なからず日本に居住している。これら外国人のほとんどは民族的少数者(社会を構成する民族集団のうちで、多数集団を形成する民族集団とは異なる文化・言語・宗教などをもつもの、“ethnic minority”、国際人権(自由権)規約27条、子どもの権利条約30条など)でもある。


さらに、朝鮮や台湾などの旧植民地出身者で日本国籍を取得した者や、長期の在留を経て日本国籍を取得した者、国際結婚などにより出生して日本国籍を取得した者など、民族的少数者としての立場にある者も多数居住し、日本では、多民族・多文化への傾向が急速に進展している。


2 外国人の人権保障の現状と課題

(1) 外国人の公的社会への参画に関する現状と課題

1995年2月28日付最高裁第3小法廷判決は、「民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み」、「我が国の在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」と判示した。更に進んで当連合会は、2001年11月、国際人権(自由権)規約25条の理念を尊重すべきことなどから、地方自治体の議会の議員及び長の選挙権及び被選挙権の付与に関する法律案が提出された際、議員の選挙権のみならず、地方自治体の議会の議員及び長の被選挙権を付与されるべきである旨の意見を発表している。自ら又は自らの選んだ代表者による統治は民主主義の基本となる理念であり、日本に定住する外国人の増加傾向が続いていることにも鑑みれば、在日外国人に対しても立法・行政・司法の各分野を含む様々な公的分野への参画を可能な限り広く認めて行くべきである。


この点、地方自治体の議員などについての選挙権の付与についても、その動きはなお具体化する状況にはなく、行政などにおける公務就任についても、「公務員に関する当然の法理として、公権力の行使または国家意思の形成への参画にたずさわる公務員になるためには、日本国籍を必要とする」との半世紀前(1953年)の内閣法制局見解を機械的に適用し、地方自治体などの職員などについても外国人への門戸が閉ざされている例が依然としてあるが、門戸開放を原則として、見直しが行われるべきである。また、司法への参加についても、司法への市民の参加が議論される中にあって、民事調停委員など多くの場面で外国人への門戸が閉ざされていることについて、これを見直すべく議論を行うべき時期に来ているということができる。


(2) 外国人の医療・社会保障に関する現状と課題

外国人については、医療、年金その他の社会保障制度について、在留資格の有無やその内容により、行政実務上その適用が制限されてきた。しかし、社会保障政策については、その生存の基本に関わる性格上、開発途上にある国については別として(国際人権(社会権)規約2条3項)、外国人に対しても、合理的な理由などがない限り保障すべきであるとされており(世界人権宣言22条・25条1項、国際人権(社会権)規約9ないし12条、難民の地位に関する条約23条等)、日本においても可能な限り等しく外国人に対する保障が求められるところである。


しかし、例えば、国民健康保険については、1992年の厚生省通知により従来は在留資格のある者に適用対象が限定されてきたことから、在留資格を有しない者は一律に加入対象から除外されていた。2004年1月15日付最高裁判決により、上記通知にかかる行政解釈が一部否定されて、在留資格のない者でも一定期間の在留の見込まれる外国人については適用を認められたところ、厚生労働省は、同年6月、在留資格を有しない者及び1年間未満の在留期間の外国人等を一律に適用除外する省令改正を施行している。


また、人道上の配慮が不可欠な外国人の緊急の医療に関しても、かねてから外国人であることを理由にこれを拒否されるという例が存在するが、その原因としては、未払医療費の負担を医療機関のみに求め、国や地方自治体などによる未払医療費補填などの制度が十分に整備されていないことなどが挙げられる。加えて、医療通訳、外国人に対する保健衛生施策の普及などについても、国や地方自治体の取り組みは遅れている。


さらに、他国との年金の通算協定の締結が進まないため、将来帰国する外国人にとっては年金保険料を支払ったとしても受給資格を得るのは極めて困難であるという問題が解決されないままである。


(3) 外国人の労働に関する現状と課題

外国人労働者に対しても、在留資格の有無及び内容にかかわらず「職業安定法、労働者派遣法、労働基準法等労働関係法令」は適用されることとされている(1988年1月26日付労働省通達)。


ところが、現実には、外国人労働者は、派遣労働などにより事業所内にあっても間接的に雇用されている者と、直接雇用されている者との比率が約8対5であり(2002年12月16日付厚生労働省発表「外国人雇用状況報告」)、間接雇用といえども、その雇用実態は日雇の雇用であるので、いつ契約を打ち切られるかわからない不安定な就労状態のもとに置かれている者が多い。また、「研修」の在留資格で在留している外国人は、「研修」の名目ながら、「建築大工」、「溶接」、「縫製」などの職種では、実質的に労働者と同様の業務に就いている者が少なからず存在する。にもかかわらず、労働者ではないという建前のもとで労災保険などの適用から排除されている。


したがって、外国人労働者について、労働法制に基づく権利を実質的に保障する施策が行われるべき必要がある。


(4) 外国人女性などの人身取引等に関する現状と課題

主として、外国人女性の人身取引に関しては、国際的報告書や報道において、タイやコロンビアなどを出身国とする女性の人身取引被害者の主たる受入れ国として日本が挙げられ、2004年6月に発表された人身取引に関する米国国務省年次報告書で、日本は監視対象国とされるに至った。


このため、人身取引防止議定書の批准とそのための国内法整備の動きもあるが、加害者に対する厳しい処罰と国際捜査・司法共助の推進等の処罰の強化だけでなく、被害者に対する一時的又は恒久的な在留資格付与制度や社会保障制度の整備、国内外のNGO等との連携など、被害者に対する保護に重点を置いた対策が行われるべきである。


ドメスティック・バイオレンスその他の被害についても、外国人女性の被害回復のために必要な期間の在留資格の付与や通訳を含めた法的な援助制度の活用などが検討されるべきである。


(5) 外国人の出入国・在留に関する現状と課題

外国人の出入国に関して、国は、外国人の日本への上陸や在留を認めるか否かは、国ないし直接の処分権を持つ法務大臣の広範な裁量に属するものと主張している。


しかし、日本は、この20年あまりの間に、国際人権(自由権)規約、国際人権(社会権)規約、難民の地位に関する条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約などの国際人権条約を批准・加入した。従って、少なくとも、国際人権条約上も特に保護されている難民、家族、女性、子どもといった外国人の在留と法的地位の安定に関しては、条約の誠実な遵守・履行という観点からも積極的な施策が行われるべきである。現状では、例えば1年間の難民認定件数が依然として10数件程度にとどまっており、欧米先進諸国と比較して桁違いに少ないなど、国際条約を遵守した運用がなされているとは評価できない状況にあり、早急な改善が必要である。


その他の人道上の配慮を要する外国人についても、国際人権基準と人道上の配慮に基づき、可能な限り広く在留の安定化を実現する施策が検討されるべきである。


また、国際人権条約上の配慮によって在留を認められた外国人の生活の安定のための一時的な保護施設の設置なども、難民について一部がその緒に就いたばかりであって、早期の整備が望まれる。


この問題とは別に、在留を含む入管関係の諸手続、すなわち、上陸、在留、退去強制にかかる入管手続については、行政手続法の適用が一律に除外されていることもあり不許可処分の具体的理由が明らかにされないこと、また、身体拘束についての要件が不明確であるばかりでなく効果的な不服申立手続が存在しないことなどの問題が存在する。入管手続においても、身体拘束などの重大な人権の制約を伴う以上、憲法31条の趣旨に鑑み、適正手続保障と手続の透明性確保の具体的施策が求められているというべきである。


(6) 教育の充実と民族的アイデンティティ保持に関する現状と課題

国際人権(社会権)規約13条は、外国人を含むすべての者に対して無償で初等教育を受ける権利を保障しており、このことを実質的にも保障することが喫緊の課題である。


ところが、日本に居住する外国人を含む民族的少数者のうち、普通教育に就学していない子どもの数は、正確に把握されていない。静岡県富士市では30.3パーセント、群馬県太田市では35.5パーセントの外国人の子どもたちが就学していないなど(2002年度)、多くの子どもが不就学の状態にあることが明らかになりつつあるにもかかわらず、不就学の子どもを含めた日本語指導の必要な外国人子弟の実態に関する調査は一部の自治体で行われているのみである。不就学の原因として、日本語指導やそのための教員の配置などについて十分な対応がなされていないこと、就学案内が全ての外国人子弟にいきわたっていないこと、国内で共に学ぶ異なる民族の子どもとの共生のための指導の不徹底などが挙げられる。日本語指導の充実や、就学へのきめ細かな対策によって、外国人の子どもの教育を受ける権利が実質的に保障されなければならない。


次に、民族的少数者にとって、言語・宗教・文化その他その民族の固有性・独自性(「アイデンティティ」)を保持する権利が、国際人権(自由権)規約27条において確認され、「民族的又は種族的、宗教的及び言語的マイノリティに属する者の権利に関する宣言」や子どもの権利条約30条において具体化されている。民族的アイデンティティ保持の上でとりわけ重要な役割を担うのが、教育であり、個人がその民族的アイデンティティを確立するためには、人格形成期において、母語・母国語等を学ぶ機会、母国の歴史や文化を学習機会を保障されることが決定的な重要性を有する。


しかし、日本の公教育においては、大阪府などの民族学級などにおける真摯な試みは存在するものの、全体としてはむしろ民族的アイデンティティに配慮することのない同化主義的な教育が行われてきた。また、民族学校・外国人学校に通う外国人や民族的少数者に対する財政的援助、大学入学資格等の差別的取り扱いに関し、当連合会は、1998年、朝鮮学校への財政的援助などをなすべきことを国に対して勧告し、1998年以来国連の各委員会も勧告・懸念を度重ねて表明しているにもかかわらず、大学入学資格などを含む朝鮮学校などに対する差別的な取扱いはいまだに解消せず、外国人学校に対する十分な財政的援助の方向も打ち出されていない。公教育、民族学校、外国人学校を含む多様な教育の機会を制度的に保障することが必要である。


(7) 民族的差別の規制と救済に関する現状と課題

外国人や民族的少数者の差別に関し、日本は、1995年12月、人種差別撤廃条約に加入し、既に8年が経過した。


しかし、本来は差別の根絶に向けて率先して取り組むべき自治体の首長が、一定の民族や国籍を名指しして犯罪者の集団であるかのような印象を与える発言をするなど、公人による差別が存在する。


また、例えば拉致事件を契機として在日コリアンの子どもたちなどに対するいわれなき暴力・暴言が繰り返されている実態が明らかとなっている。更に、就職差別・入居差別・入店差別などが存在し、これらの差別を違法とする判決が相次いで出されている状況にある(浜松の宝石店の入店差別に関する1999年10月12日の静岡地裁浜松支部判決、小樽の公衆浴場の入浴拒否事件に関する2002年11月11日の札幌地裁判決等)。


これら外国人等に対する差別を根絶するために、国や地方自治体が、人種差別撤廃条約を誠実に履行し、早急に人種差別を禁止する法律や条例を制定することが必要である。その実効性を担保するために「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」に従って政府から独立した人権機関を設置すること、そして、差別禁止に向けた人権教育と多文化理解教育を徹底することが必要である。国際人権(自由権)規約委員会も、1998年、日本政府報告書に対する最終見解の中で、人権侵害の申立に対する調査のための政府から独立した人権機関を設立することを強く勧告し、当連合会も2000年人権擁護大会において、政府から独立した国内人権機関の設置を求める宣言を採択している。しかし、未だ、このような国内人権機関の設置は行われておらず、人種差別の撤廃のためにも、直ちに独立した人権機関の設立が求められる。


3 外国人・民族的少数者の人権基本法の必要性

(1)以上のとおり、日本では、外国人や外国人を含む民族的少数者の人権が多くの場面で侵害されている状況が続いている。


しかし、外国人をめぐる法制度は、出入国管理及び難民認定法と外国人登録法という、外国人の管理を主眼とした法律を中心に整備されており、難民の地位に関する条約や子どもの権利条約等の国際人権条約批准などに伴う部分的な法改正があったほかは、外国人や民族的少数者の人権を実質的に保障することを目的とした法律は存在しない。 


一方、日本では、戦後、社会的弱者の基本的人権を保障する観点から、障害者基本法、男女共同参画社会基本法、高齢社会対策基本法、消費者保護基本法などの「基本法」が次々に整備されている。


外国人や民族的少数者の基本的権利を保障し、そのために必要な国や地方自治体の施策を定める基本法は存在しない。


よって、国及び地方自治体は、外国人の人権を保障し、民族的少数者固有の権利の実現と多民族・多文化の共生する社会の構築をめざして、下記の内容を骨子とする外国人・民族的少数者の人権基本法や条例の制定を行い、併せて、国に、多民族・多文化の共生する社会を推進するための部局を設置してこれら施策を早急に実施すべきである。



  1. 外国人に対しても基本的人権を原則として等しく保障し、さらに民族的少数者固有の権利を確立すること。
  2. 永住外国人等への地方参政権付与をはじめとする立法への参画、公務員への原則的な門戸開放による行政への参画、司法への参画を広く保障すること。
  3. 医療・年金・生活保護その他社会保障制度全般について、外国人に対しても可能な限り日本人と同様の保障を及ぼすこと。
  4. 外国人労働者につき、労働法制に基づく権利を実質的に保障すること。
  5. 外国人女性などの人身取引、ドメスティック・バイオレンスなどの被害を防止し、被害を受けた者の救済のための施策を充実すること。
  6. 国際人権条約上保護されるべき難民、家族、女性、子ども及び人道上の配慮を要する外国人の在留の安定に向けた諸施策を講じるとともに、入管手続全般につき適正手続保障と透明性確保に努めること。
  7. 外国人の子どもへの日本語教育の充実等の施策を行うとともに、公教育における母語・母国語等の教育の機会や、公教育、民族学校、外国人学校を含む多様な教育の機会を制度的に保障すること。
  8. 人種差別禁止のための法整備を行い、その実効性を確保するために政府から独立した人権機関を設置するとともに、差別禁止と多文化理解に向けた人権教育を徹底すること。

(2)これらの立法や施策が実施されるにあたっては、各種社会保障制度や援護法の適用を促すなど、植民地支配の結果として日本に生活することを余儀なくされた植民地出身者やその子孫などの置かれた特別な状況について十分な配慮がなされなければならない。


また、戦後補償と謝罪の問題をはじめとする過去の植民地支配やその後の植民地出身者の日本国籍の一方的喪失等に伴う様々な問題が早急に解決されなければならない。当連合会は、過去の人権擁護大会においても「戦争における人権侵害の回復を求める宣言」(1993年)、「戦後50年・平和と人権に関する宣言」(1995年)を通じてこの問題の早期解決を求めてきたところであるが、現在に至ってもなお植民地支配の問題は清算されておらず、一刻も早い解決をここに改めて求めるものである。


(3)なお、日本国家の統治の及ぶ以前から居住し、独自の文化を形成してきたアイヌ民族など、先住民族である民族的少数者については、その権利保護のための施策の必要性が別途検討されなければならないことは言うまでもない。


4 むすび ~多民族・多文化の共生する社会に向けての展望と、弁護士・弁護士 会の外国人・民族的少数者支援についての今後の取り組み~

当連合会は、前記の各施策の実施につき積極的に関与・協力するとともに、外国人及び民族的少数者の人権基本法の制定と差別禁止の徹底を通じて、外国人及び民族的少数者の基本的人権を確立し、ひいては多民族・多文化の共生する社会を築き上げることを目標に、全力を尽くす決意である。


以上