子どもの人権に関する宣言

子どもは明日への希望であり、子どもを幸福に育てることは、人類の未来をひらくことである。


1951年の子どもの日に制定された児童憲章は、日本国憲法の精神に従い、すべての児童の幸福をはかるため、子どもの権利を高らかにうたいあげたものであった。


子どもはみな、豊かに成長し、発達を遂げる権利をもっている。


しかし、いまなお子どもをめぐる人権は、子捨て・子殺し事件の多発、大気汚染など公害や薬害による健康侵害、受験地獄・落ちこぼれなどの教育問題、学校災害、交通事故その他の災害による犠牲などにみられるように、危機的状況にある。


国は、このような事態に対し何らの積極的な措置もとらず、子どもの生命、健康、生活、文化、環境などに関する権利保護につき、十分な施策を行ってきたとはいえないし、むしろ管理・取締の強化により問題の解決をはかろうとしてきた傾向さえみられる。


われわれは、国会および行政機関に対し、少年法「改正」など、現状を糊塗し、子どもの人権の侵害をすすめる施策をただちに中止し、児童憲章の実現をはかるため、具体的な立法、行政上のてだたをつくすことを要求するとともに、広く国民に対し、子どもの権利の危機を訴え、その尊重と擁護を呼びかけるものである。


右宣言する。


1978年(昭和53年)11月11日
第21回於高松市