週刊誌等報道機関の表現自由の行過ぎ反省方の件(決議)

近時、新聞・雑誌特に週刊誌並びに映画・ラジオ・テレビ等において個人のプライバシーを毀損する場合が多いにも拘らず殆ど無反省であることは遺憾である。


よって、これら関係者に対し、人権尊重の立場から、深甚なる注意の喚起を要望する。


昭和37年10月20日
於京都市、第5回人権擁護大会


理由

新憲法によって与えられた言論・出版その他の表現の自由は、大河の決するが如く今やマスコミは無冠の帝王の観がある。その反面において、純良なる国民がマスコミの犠牲となって、プライバシー乃至は名誉権を侵害されつつあることは枚挙にいとまがない。殊に近時週刊誌等による個人の私行に関するスクープ記事、トピック記事においては特に目を蔽うものがある。被害者は勿論のこと、青少年に対しても悪い影響を与え、法治国としての一大恥辱といわねばならない。


われわれは一般国民としても、右実情に無関心ではいられない。出版報道機関に従事する各位には心を新にして表現の自由、いわゆる人権尊重の限界について深甚の注意を喚起して之等国民の怨嗟の声を一掃されるべきである。