検察官の証人訊問の準備に関する件(決議)

刑事訴訟規則第191条の3は、検察官がこれを乱用する場合は、法廷における公正なる証言を期待し得ないこととなり、真実の発見に支障を来し、証人並びに被告人の基本的人権の擁護に欠けるおそれがある。


よって、検察官は右規定の運用にあたっては特段の考慮を払うよう要望する。


1957年(昭和32年)11月10日
於和歌山市白浜町、人権委員会秋季総会


理由

当委員会青森地検検事の人権侵犯事件においてもみられるが、事案によれば検事側申請証人Aに対し、予め証言の準備をなしたが、A証人の公判における証言が、検事の意と違ったのに対し、偽証だと威迫した疑いがあるが、斯様な事実から考慮されることは、刑事訴訟規則第191条の3の規定を検察官が乱用した結果とみられるのであって、事実の発見のためには、検察官が右規定の運用につき公正であることが期待されなければならない。


特段の考慮を要望するわけである。