社会的設備、公衆衛生及び高齢者保護に関する件(決議)

洞爺丸及び相模湖遊覧船各遭難事件、横浜聖女の園における惨害事件、学童給食中毒事件等は、何れも社会的設備の不完全と公衆衛生に対する責任感の弛緩は元より、高令者保護に対する社会保障制度の不備に由来するものと認む。


当局は、速かにこれが対策を講ぜられんことを要望する。


1955年(昭和30年)3月12日
於横浜市、人権委員会春季総会


理由

洞爺丸、相模湖遊覧船の各遭難、横浜聖女の園の惨害、学童給食中毒の条件は、いずれも社会的設備、公衆衛生に対する責任感の弛緩に由来している。且つ之等は設備の不完全と高令者保護法に対する保障制度の不備によるものと思う。而も政府機関に於ては莫大な税の不正浪費が伝えられ或は年末に不必要な旅行をやっている状況であって、之等に消費される金額を、これら社会公共の設備に用いれば災害防止に役立つものであると思うので、之等に対する是正と適切なる対策を講ずる要がある。