臨時総会・法曹養成制度の「統一・公正・平等」に関する決議

平成6年12月21日
東京商工会議所ホール
臨時総会
関連決議


(法曹養成制度の「統一・公正・平等」に関する)決議

当連合会は、法曹養成制度等改革協議会における「司法試験・法曹養成制度の抜本的改革案」立案のための協議に際しての基本的指針を確定するにあたり、次の基本的立場を確認する。


  1. 法曹養成制度における統一・公正・平等の基本理念を堅持し、いわゆる合格枠制(丙案)導入回避のために全力を尽くし、受験回数(期間)の制限など、司法試験の受験資格を制限するあらゆる制度の導入に反対する。
  2. 司法修習の内容の一層の充実を追求し、修習内容の希薄化や分離修習化など、現行司法修習の優れた特徴を損なうあらゆる制度の導入に反対する。

提案理由

  1. 司法試験改革問題は、少数回受験者優遇制度(丙案)の可否を決する平成7年秋までわずか1年足らずとなった。
    本日、当連合会は、法曹養成制度等改革協議会(改革協)における司法試験・法曹養成制度の抜本的改革案立案のための協議に際しての基本的指針を本総会において採択したが、本採択に関し、司法試験制度と司法修習制度に対する基本的立場を確認するものである。
  2. 現行司法試験における「統一・公正・平等」の原則は、司法修習制度を含むわが国の法曹養成制度の基本理念であり、将来の法曹一元実現の基礎となる制度である。
    当連合会は、平成2年10月に法曹三者間の「司法試験制度改革に関する基本的合意」を締結するに至った際にも、法務省「基本構想」の甲、乙、丙案の三案が上記理念との関係で多くの問題点をはらむことを指摘するとともに、とりわけ丙案については統一修習制に対する危険性すら含んでいるものとして、これに対する否定的評価を表明し、丙案の導入を回避するために努力を尽くすことを当連合会の基本的立場としてきた。
  3. ところで今般、法務省は、改革協法曹人口問題等検討小委員会において、司法試験・法曹養成制度の改変案を検討していることを明らかにし、最高裁も同趣旨の案を検討中であることを表明したが、これらの案は、修習内容の希薄化をもたらす可能性を有するとともに、司法試験の受験回数制限をも示唆するなどの問題をはらむものである。
  4. 当連合会は、司法試験・法曹養成制度における統一・公正・平等の基本理念に照らし多くの問題点が存在するいわゆる合格枠制(丙案)導入の回避のために全力を尽くし、この理念と相容れない受験回数制限や修習内容の希薄化などに反対するとともに、法曹養成制度の一層の充実に向けて努力を尽くすという当連合会の基本的立場を、司法試験・法曹養成制度の抜本的改革案立案のための協議に際しての基本的指針を確定するにあたり、あらためて確認するものである。

以上


※ この案は、執行部案、臨時総会招集請求者案のいずれの立場からも共通に前提とされる決議案として理解されたい。