新会館建設準備金積立のための特別会費徴収の件

平成2年3月2日
東京商工会議所ホール
臨時総会


(決議)

新会館建設準備金積立のための特別会費徴収の件

会則第95条の3及び外国特別会員基本規程第66条に基づき、昭和58年3月12日開催の臨時総会においてなされた新会館建設準備金積立のための特別会費徴収の件に関する決議及び同62年1月24日開催の臨時総会においてなされた新会館建設準備金積立のための特別会費を外国特別会員より徴収する件に関する決議を、次のように改める。


1. 特別会費の徴収及び使途
新会館建設準備金積立のため、弁護士である会員(以下「会員」という。)及び外国特別会員より特別会費を徴収する。
2. 特別会費の額
平成2年3月末日までは、月額1,500円とし、平成2年4月1日以降は月額3,000円とする。
3. 徴収対象会員
平成2年4月1日現在の会員及び外国特別会員並びにその後入会する会員及び外国特別会員で、日本弁護士連合会の会費の免除を受けていない者(その後、会費の免除を解除されたものを含む。)。但し、司法研修所の修習を終えて入会した会員で、修習終了の翌々年の3月までの者を除く。
4. 徴収期間
昭和58年4月末日現在の会員については、同月から、その後入会した会員及び外国特別会員については、入会した月から、それぞれ11ヶ年(会費の免除を受けていた期間は、これに算入しない。)とする。但し、再登録した会員及び外国特別会員については、通算11ヶ年とし、第3項第1号但書の会員については、修習終了の翌々年の4月から11ヶ年とする。
5. その他
前4項の他、本特別会費に関し必要な事項は理事会の定めるところによる。
(附則)
この決議は、平成2年4月1日から施行する。

(提案理由)

1.日弁連では、現会館の狭隘、老朽化の状況及び霞が関A地区整備計画の進展等に鑑み、新会館の建設に関し、建設敷地の確保や具体的建設計画を進展させると共に、建設に当たっての資金調達のため、新会館建設準備金制度を創設し、特別会費として1,500円を弁護士である会員からは昭和58年4月より、外国特別会員からは昭和62年4月より徴収してきた。


2.その後、新会館の敷地については、昭和62年9月、霞が関A地区内の現検察総合庁舎の跡地4,792.6平方メートルと決定した。この地域は容積率500パーセント、建蔽率50パーセントである。ここに建築可能な建物は最大23,963平方メートル(駐車場別)となる。現在、新会館の規模については、東京三弁護士会との間で種々の具体的建設規模案が提案されており、これらの案を念頭に置きながら目下会館建設推進本部第1部会を中心に検討を重ねている。現段階では、事務用スペースとして4,500平方メートル(1,500平方メートル3層)、講堂用スペースとして915平方メートル(1,830平方メートルの講堂を東京弁護士会と2分の1の割合で共有)の合計5,415平方メートルを必要専有面積として考えている。


3.一方、前記会館規模について、着工時期を平成3年1月(工期を30ヶ月)、建設相場を坪当たり140万円(講堂については1.5倍とした)、什器・備品他を総工費の20パーセント、設計管理費を総工費の5パーセント等を前提に建設資金を試算すると、日弁連負担分として約39億7,716万円(専有部分29億8,055万円、共用部分約9億9,661万円)が必要となる。ところで、前記積立金は、平成元年3月末日現在では約13億9,000万円(元利とも)となっており、これを現在の金利水準のまま今後推移するとしたならば、会館建設準備金制度創設から7年後の平成2年3月末日では約16億9,000万円(元利とも)と見込まれ、右建設必要予定金39億7,716万円には大幅に不足する。着工時を平成3年1月と予定した場合竣工時の年度末である平成6年3月末日においては約19億9,200万円の不足となりこれを借入金で賄うと、その後の返済を現行制度における特別会費のみで行うことは無理となる。


4.そこで、建設資金は、新会館竣工までに必要とする資金の相当部分を特別会費によって準備し、不足分を一時的に金融機関からの借入金で賄い、この借入金はその後徴収する特別会費によって返済する方法が最も適当であると考える。また、建設資金の試算の基礎となった坪単価140万円は今後の値上がりの可能性が大きく、金利動向等の経済情勢も不透明である。加えて、竣工後は、相当額の維持管理費を必要とし、竣工時に多額の借入金を残すことは好ましくない等々の諸事情を考慮し、新会館建設のための特別会費は、平成2年4月1日より1,500円増額して3,000円とし、特別会費積立期間をさらに4年延長して通算11ヶ年とすることが相当と考えられる。これにより、竣工予定年度末である平成6年3月末日には積立額も38億円と見込まれ、不足額を借入金で賄うとしても少額ですみ、今後の会財政上も好ましいと思料する。五、新会館は、一旦建設すれば、当分の間増改築等は望めず、おそらく数十年にわたりこれを使用することとなる。そして、将来の日弁連の社会的機能の増大、会員増等を展望し、後世に憂いを残さないものにしなければならない。特別会費の徴収期間を延長し、かつ毎月の積立金を増額することは会員に多くの負担を強いる結果となるが、新会館建設が日弁連にとっての大事業であることに鑑みやむをえないものと思料する。