日弁連新聞 第495号

第2回若手弁護士カンファレンス
若手会員と日弁連執行部が活発に意見交換
2月28日弁護士会館

日弁連執行部は、若手会員の意見を会務に反映することを重要課題の一つと考えており、その一環として、昨年8月に若手弁護士カンファレンスを開催した。そこでは、有益な意見が多数寄せられ、参加者からは、定期的な開催を望む声が多く上がった。
そこで、前回に引き続き、62期以降の若手会員約60人が全国から集まり、村越会長および副会長と意見交換を行った。

 

前回を踏まえた取り組み状況

若手会員と会長・副会長が忌憚のない意見を交換した

冒頭、執行部から前回カンファレンスで寄せられた意見に対する取り組みの例として、総会における議案書の一部ペーパーレス化の実現など、紙の消費量を減らし、コストの節減に取り組んでいること等を報告した。

 

若手支援制度の紹介

新たな支援策として、eラーニング講座を分野別にコンパクトなマップ図に整理した若手弁護士向け「研修ステップアップガイド」を紹介した。また、即時・早期独立弁護士を対象としたチューター制度やメーリングリスト、女性合格者向け就職セミナーなど、さまざまな支援策を紹介し、活用を呼び掛けた。

 

グループ別意見 交換会

続いて、若手会員が6つのグループに分かれ、①若手向け研修・指導援助・OJT、②経済的負担・会費、③業務拡大・他士業との関係・各種交流、④会務の4つのテーマについて、会長・副会長と意見交換を行った。

若手会員からは、「研修や業際問題への対応など、目に見える活動をもっと行うべき」と若手向け研修の充実に関する要望が出された。会費に関しては、「弁理士会では、会員増加に伴い会費を下げている。弁護士会も同様に会員が増加しているのだから会費を下げるべき」「若手会員の会費の在り方に関する議論の際には、ロースクールの学費と貸与制で当初からかなりの経済的負担を負っていることを認識してほしい」など、さまざまな声が寄せられた。

また、「民事法律扶助や国選弁護の報酬基準が業務量に比べて低すぎる」「業務拡大に関する委員会をもっと増やすべき」といった業務に関連する意見や、「インターネットによる電話会議を全委員会で導入してほしい」「委員会活動は完全なボランティアであり若手は参加しにくい」といった、会務、特に委員会活動や意見書および会長声明の在り方に関する声などが寄せられた。

意見交換会後の懇談会では、各グループの参加者代表から、「2回続けて出席して何とか前に進もうという執行部の熱意を感じることができた」「早速eラーニングを使ってみようと思った」などの感想が寄せられた。


 

「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」
国会に提出

3月13日、「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」が国会に提出された。

本改正法案は、被疑者取調べの録音・録画を義務付ける制度の導入、被疑者国選弁護制度の拡大、公判前整理手続における証拠一覧表交付制度の導入および類型証拠開示の拡大、犯罪被害者等および証人保護措置の創設などを定めたものである。

2011年6月に法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」が設置されてから約3年間にわたる議論を経て、法案の提出に至った。

被疑者取調べの録音・録画制度について、対象事件は裁判員裁判対象事件および検察独自捜査事件とされたが、近時、検察における運用では、より広い事件で録音・録画が実施されている。

附則では、施行後3年が経過した時点で録音・録画制度の在り方について検討を加えるとされており、今後とも、録音・録画の運用状況を注視しつつ、全事件における録音・録画制度の実現に向けた取り組みが重要である。

なお、特別部会の議論が取りまとめられた段階では、裁量保釈の考慮事由を明記するとされつつ、具体的な考慮事由が定まっていなかったが、法案では、逃亡および罪証隠滅のおそれの程度のほか「身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情」を考慮することが明記された。

法案が可決され、成立した場合でも、証拠開示の一層の拡充や身体拘束制度の改善など、残された課題が少なくない。

えん罪を生まない刑事司法制度を目指し、新制度下における弁護実践とともに、さらなる制度改革に向けた不断の取り組みが必要である。

(司法改革調査室長 宮村啓太)


 

「震災特例法」の有効期限を延長する改正法が成立

3月31日、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律」(震災特例法)の有効期限である2015年3月31日を3年間延長する法律改正案が参議院において可決され、成立した。

東日本大震災から4年以上を経過した現在においても、いまだ多くの被災者が避難生活を強いられ、被災地の復興は十分とは言い難い状況にあることから、被災者に対する法的援助の必要性は、今後も減ることはないと予想される。

本特例法は、被災者を資力で選別せず、対象事件の範囲を裁判外紛争解決手続や行政不服申立手続まで明文で定めるなど、被災者にとって法的紛争解決のための有益なツールを提供するものであり、日弁連では、有効期限の延長を求める取り組みを行ってきた。

会員各位におかれては、引き続き、本制度に対するご理解と積極的な活用をお願いしたい。

なお、既に震災法律援助契約を締結している会員には、法テラスから終期を2018年3月31日までに変更する通知がなされるが、受領後に震災法律援助を担当すると契約期間の変更に同意したものとみなされる。

 

「ハラスメントの防止に関する規則」運用開始
パワー・ハラスメントも対象に

2月の理事会で承認された「ハラスメントの防止に関する規則」が4月1日に施行された。

 

日弁連は、会員から日弁連に勤務する職員に対するセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)を防止し、問題が発生した場合に適切な措置を行うために、「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規則」を制定し運用を行ってきた。

今般、職場におけるパワー・ハラスメント(パワハラ)が社会的な問題となり、それへの対応が求められていることから、セクハラだけでなく、パワハラを含めたハラスメント全般について防止するための新たな規則を制定した。

新規則では、相談員に外部カウンセラーを加えること、「性別による差別的取扱い等の防止に関する規則」との整合性を図る点でも改正を行っている。

新規則の制定にあわせて、会員や職員が認識すべき事項をまとめた「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する指針」を改正するとともに、パワハラになり得る言動や会員が認識すべき事項をまとめた「パワー・ハラスメントの防止に関する指針」を新たに整備した。

規則および各指針は、日弁連ホームページ(HOME>日弁連/弁護士について>弁護士法・会則・会規等>第4部:規則>は行)に掲載しているのでご覧いただきたい。

 

ひまわり

「職権で調査を敢行」「アポなし突撃取材」「投書の『主』を探して─中国吉林省へ」。前号の日弁連新聞に同封されていた委員会ニュース「人権を守る」の見出しに思わず目が惹き付けられた▼長野県の農家で働いていた中国人技能実習生に対する人権侵害について、日弁連が厚労省等に勧告したという内容だった。記事によると、その調査の端緒が、中国人の名前で書かれた弁護士会への投書だったというのだ▼委員会は、本当にその名前の人物によって書かれた投書であるか確認できないまま、職権で調査を開始し、万が一にもその人物が関係者から妨害や迫害を受けぬよう、事前に連絡せずに、住所だけを手掛かりに中国吉林省に調査に赴いたのである▼内部告発は、隠ぺいされた社会問題を可視化する重要な発信源、取材源である。内部告発者の可能性がある者の利益に配慮しつつ、調査を敢行した本件における委員会の姿勢には学ぶべきところが大きい▼実は、あるメディアにも同じ投書が届いていたが、報道には至らなかったという。そのメディアは事実に迫る取材をしたのだろうか。そして、近い将来、弁護士会に特定秘密に関わる投書が届いたら、弁護士会はどうするのだろうか。そんなことまで考えさせられた意義深い報告だった。

(A・K)


 

集団的自衛権・安全保障法制の憲法上の問題を市民に訴える全国一斉行動

日弁連は、昨年12月から本年4月までを「集団的自衛権行使容認に反対する全国一斉行動~日弁連キャラバン月間~」として、全国各地でシンポジウムや街頭宣伝等を実施している。

 

8000人を超える弁護士・市民が横浜の街をパレードした

仙台弁護士会のシンポジウムには約400人、愛知県弁護士会のパレードには約3000人など、各地で多数の弁護士・市民が参加した。

中でも横浜市内で開催された2月21日の集会には、8000人を超える弁護士・市民が参加した。村越会長、浜矩子教授(同志社大学大学院)、阿部浩己教授(神奈川大学法科大学院)、半田滋氏(東京新聞論説委員兼編集委員)らのスピーチの後、横浜の街を2コースに分かれてパレードし、「集団的自衛権にNO!」と訴えた。

また、3月16日前後に「全国一斉街頭宣伝行動」として、多数の弁護士会が街頭宣伝行動を実施し、その様子が各地のメディアで報道された。

日弁連では、これらのキャラバン行動を集約して報告するとともに、連休明けに上程される安全保障法案の憲法上の問題を検討するために、4月7日に弁護士会館で「集団的自衛権の行使容認に反対する全国キャラバン東京集会」を開催する。同集会では、石川健治教授(東京大学法学部(憲法))、那須弘平会員(第二東京/元最高裁判事)らによる講演を予定している。

また、5月3日の憲法記念日から戦後70年を迎える今夏にかけて、自衛隊海外派遣恒久法制定などによる海外での軍事的活動の開始要件や内容の拡大を含め、関連法案の憲法上の問題点を市民に分かりやすく示し、署名活動などを通じ、市民の声を国会に反映する取り組みを一層強めていきたいと考えている。

(憲法問題対策本部本部長代行 山岸良太)


 

日弁連短信
増える任期付公務員
役所からの事前相談も

谷次長

近年、弁護士を対象とする任期付公務員の募集が増えている。かつては人数も官庁も限られていたが、最近では官庁の種類も増え、さらには全国各地の自治体にも募集が広がっている。

これは、弁護士が国の機関や自治体で大きな役割を果たしてきた実績を反映するものだろう。弁護士の活躍の分野がますます広がろうとしていることを実感できる。

しかし、残念なことは、募集があっても応募がないなどの理由で採用に至らない場合があることだ。せっかく弁護士の手腕に期待して募集してくれても、期待に応えられないということである。その事情はさまざまだが、中には、募集のスケジュールが実情にそぐわないことが理由ではないかと思うような場合もある。募集期間が2週間程度と短かったり、募集の終了から勤務開始までの期間が、1か月程度しかないこともあった。弁護士業務の実情からすると、2週間で応募を決めたり、内定から1か月足らずで事件の引き継ぎを終えて、公務員としての勤務を開始したりすることはほとんど不可能だろう。

こうしたことから、日弁連では募集に当たって参考にしてほしいことをまとめ、パンフレットを作成して、官庁や自治体への情報提供に努めている。

このような取り組みが功を奏したのか、募集を考えている役所から、募集要領についてあらかじめ相談を受けることが増えてきた。そのような場合には、弁護士の業務や公務員に就業するまでの実情を説明し、応募しやすい募集スケジュールをアドバイスするなどしている。その結果、弁護士の業務の実情を踏まえた募集スケジュールを組んでくれるようになってきている。

一方で、弁護士の側にも公務員の職に就くにはまだまだ障害があることも事実だ。事件の整理や引き継ぎをどのように円滑に行うか、任期終了後の復帰をどうするかなどは誰もが気に掛けることだ。送り出す側の事務所の負担も無視できない。今後弁護士がどんどん任期付公務員に進出するためには、これらの障害を少なくするための手当が必要だ。こうした課題についても政策を持ち、必要な対応を行っていくことは、日弁連の重要な仕事である。

(事務次長 谷 英樹)


 

香港法制度・法実務セミナー
3月6日 弁護士会館

日弁連は、昨年度から香港律師会とインターンシップ交換プログラムを実施しており、同プログラムで来日し、研修を受講した香港ソリシタ-によるセミナーを開催した。セミナーは、海外の法律実務家から香港法の実務について話を聞く貴重な機会となった。

 

香港律師会との間でインターンシップ交換プログラムがはじまる

香港には、英国法に倣い、ソリシターという事務弁護士と、バリスターという法廷弁護士が存在し、それぞれが協会を組織している。ソリシターの協会である香港律師会と日弁連は、覚書を締結し、2014年度からそれぞれの若手弁護士を相手方の法律事務所で研修させる、インターンシップ交換プログラムを開始した。日弁連が海外の弁護士会との間でこのようなプログラムを実施するのは初の取り組みである。

まず、昨年10月から11月に、日本の4人の若手弁護士が香港の法律事務所で2週間の研修を受け、帰国後、その成果についてセミナーを開催した。

 

香港ソリシターとの活発な意見交換

次に、本年2月から3月にかけて、香港の4人の若手ソリシターが日本各地(東京、横浜、神戸、福岡)の法律事務所で2週間の研修を受けた。

研修最終日に開催した本セミナーでは、「香港における法律実務」、「新しい会社法の導入」、「仲裁地としての香港」、「香港-中国ほかアジア諸国への玄関口」と題し、4人のソリシターが発表を行った。うち1人は流暢な日本語を披露し、その他3人による発表にも通訳を付け、英語が得意ではない会員にも大変分かりやすい内容となった。また、発表の後には質疑応答の時間が設けられ、ソリシターらと出席した会員との間で、香港法の実務について、活発な議論が繰り広げられた。

4人のソリシターは、2週間の研修について、大変充実したものであったとの感想とともに、さらに充実した機会となるよう、期間を延長してほしいとの要望を述べた。

(国際交流委員会委員 山上祥吾)


 

第45回市民会議
安全保障政策に係る議論の在り方と憲法上の論点等について議論
3月2日 弁護士会館

今回の市民会議では、昨今の安全保障政策に係る議論の在り方と憲法上の論点および法科大学院制度改革について意見を交換し、弁護士の活動領域の拡大に関する取り組みについて報告した。

 

昨今の安全保障政策に係る議論の在り方と憲法上の論点

憲法問題対策本部の伊藤真副本部長(東京)が、集団的自衛権の行使容認等に係る昨年7月1日付の閣議決定および同年10月に公表された「日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間報告」に対して公表した各意見書の内容や、昨年12月以降全国的に展開している全国キャラバンの実施状況を中心に、日弁連の取り組みを説明した。

松永委員は、「わが国の在り方に関わる重要な問題であり、オピニオンリーダーを巻き込んで議論の場を盛り上げることが必要」との意見を述べ、中川委員は、「憲法問題に関する日弁連の活動は、ほとんど報道されず市民にも知られていない。この関心の薄さは、『法律実務に特化している』という、市民が抱く法曹像が影響しているのではないか」と述べ、法曹が大きく幅広く人権を守る存在であるとの理解を広げていくことが必要と指摘した。

他の委員からも、憲法や安保法制に関わる問題について、法律上の観点から分析し意見を表明することは弁護士会に期待される役割であるとの意見が相次いだ。

 

法科大学院制度改革と今後の在り方について

日弁連側から、法科大学院制度の創設趣旨と、近時の入学者選抜の状況等、法科大学院を取り巻く現状と、公的支援見直し加算プログラムを含め、文部科学省が掲げる法科大学院強化に向けた抜本的改革の内容について説明した。

井田委員は、法科大学院の質に関して、「制度趣旨に立ち返れば、司法試験の合格率だけでなく、幅広い教育を提供し、多様な人材を輩出する点が評価されるべき」との意見を表し、湯浅委員は、「司法試験そのものの改革も必要。法的思考過程を問うなど、予備校では学べないことを評価する内容にすべき」と述べた。

 

市民会議委員 (2015年4月1日現在)
(五十音順)

  • 井田 香奈子(副議長・朝日新聞東京本社論説委員)
  • 長見萬里野(全国消費者協会連合会会長)
  • 北川正恭(議長・早稲田大学マニフェスト研究所顧問)
  • 清原慶子(三鷹市長)
  • 古賀伸明(日本労働組合総連合会会長)
  • ダニエル・フット(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
  • 中川英彦(前京都大学大学院教授、駿河台大学法科大学院講師)
  • 松永真理(テルモ株式会社社外取締役)
  • 湯浅 誠(社会活動家、法政大学現代福祉学部教授)

 

育児期間中の日弁連会費等免除制度はじまる

4月1日から、育児期間中の日弁連会費等免除制度を開始した。既に400人を超える会員から申請をいただいている。対象となる会員にはぜひ活用いただきたい。

【注意】会費等免除申請書は、子が2歳に達する日の属する月を経過したときは、提出することができない。2013年4月2日~10月1日までに生まれた子に関する免除は、対象期間がそれぞれ限られているため、お早めに申請いただきたい。

 

*詳細は、会員専用ページ(HOME≫届出・手続≫育児期間中の会費等免除)をご確認ください。
問い合わせは日弁連人権第二課(TEL:03-3580-9508)まで。


 

2015年度役員紹介

3月13日に開催された代議員会(本人出席293人、代理出席229人)において、2015年度役員が選出された。就任にあたり、13人の副会長の抱負と理事および監事の氏名を紹介する。

 

伊藤 茂昭(東京・32期)

伊藤 茂昭[出身]新潟県
[抱負]副会長の心を合わせ、会長を補佐して会務全般の執行に全力を尽くします。喫緊の課題である憲法問題をはじめ、主に法曹養成問題、不祥事対策、弁護士倫理などを担当します。


 

岡  正晶(第一東京・34期)

岡  正晶[出身]香川県
[抱負]民事司法改革推進本部、司法制度調査会、倒産法制等検討委員会などの担当として、民事司法の充実に取り組みます。また財務担当として、削減できる支出の選定、会費減額の可能性、減額の場合の納得感ある方法等を検討します。


 

三宅  弘(第二東京・35期)

三宅  弘[出身]福井県
[抱負]法曹養成・法科大学院・司法修習・法律サービス展開、憲法問題、秘密保護法・情報問題、国際交流・国際法律業務などを担当します。会長を補佐し会員の意見を踏まえて、重要課題に尽力してまいります。


 

谷萩 陽一(茨城県・36期)

谷萩 陽一[出身]茨城県
[抱負]日本司法支援センター推進本部の主担当のほか、刑事弁護・国選・接見交通なども担当になります。弁護士自治を大事にしながら、事実に基づく丁寧な意見交換を心掛けて、司法アクセスの充実に努めたいと思います。


 

鈴木 克昌(群馬・34期)

鈴木 克昌[出身]群馬県
[抱負]主な担当分野は、弁護士業務改革、業際・非弁問題、人権擁護大会です。弁護士の執務環境が大きく変わる中で、人権擁護活動の展開を支える業務基盤の確立を目指したいと思います。


 

松葉 知幸(大阪・30期)

松葉 知幸[出身]鹿児島県
[抱負]主に法律サービス展開本部、消費者問題対策、給費制存続対策本部、刑事法制等を担当することになりました。弁護士が誇りの持てる魅力ある職業で在り続けることができるよう、会長を補佐して頑張ります。


 

藤本 卓司(奈良・44期)

藤本 卓司[出身]熊本県
[抱負]主な担当は、法曹養成、人権擁護、知的財産、ADR、リーガル・アクセス・センターなど、多岐にわたります。難しい課題ばかりですが、関係する委員会の意見に耳を傾けながら全力を傾注して成果を出したいと思います。


 

川上 明彦(愛知県・34期)

川上 明彦[出身]愛知県
[抱負]主に広報、研修、若手サポートのほか、法曹養成問題、法律サービス展開本部なども担当します。弁護士・弁護士会の将来を見つめながら、今の課題に積極果敢に取り組み、会長を精一杯補佐していきたいと思います。


 

内山 新吾(山口県・37期)

内山 新吾[出身]山口県
[抱負]地元の依頼者に「ごめんなさい」と言って、副会長になりました。困難を抱える市民と会員の声を大切にし、共に悩み、会内合意をつくりたいと思います。刑弁、国選、可視化、法テラス関係、労働法制を担当します。


 

平山 秀生(大分県・38期)

平山 秀生[出身]大分県
[抱負]高齢者・障害者の権利委員会、高齢社会対策本部、子どもの権利委員会などを担当します。社会の高齢化の進展で、担当委員会の活動は、重要性を増しており、私も経験を生かし、全力で委員会活動を支えていきたいと思います。


 

齋藤 拓生(仙台・42期)

齋藤 拓生[出身]北海道
[抱負]人権擁護、貧困本部、国際人権、東日本大震災・原発事故等対策本部、公害・環境保全などを担当します。会長を補佐して、基本的人権の擁護と社会正義の実現のために全力を尽くします。1年間よろしくお願いいたします。


 

長田 正寛(札幌・38期)

長田 正寛[出身]北海道
[抱負]公設事務所・法律相談センター、裁判官制度改革・地域司法計画、弁護士任官等推進センター、男女共同参画推進、両性の平等、行政訴訟センターなどを担当します。会長を補佐し、会員・弁護士会の声を反映した会務運営に努めます。


 

吉田  茂(香川県・39期)

吉田  茂[出身]群馬県
[抱負]民事介入暴力対策、犯罪被害者支援、中小企業支援、弁護士自治、弁護士業務妨害対策、小規模弁護士会協議会などを担当します。明るく、くじけず、意思疎通に努めます。楽しみながら、全力を尽くします。


 


理事

  • 小林 政秀(東京)
  • 圓山  司(東京)
  • 小澤 哲郎(東京)
  • 平沢 郁子(東京)
  • 佐藤 貴則(東京)
  • 髙畠 希之(東京)
  • 須郷 知徳(東京)
  • 若林 茂雄(第一東京)
  • 山﨑 和義(第一東京)
  • 佐藤 彰紘(第一東京)
  • 伊達 俊二(第二東京)
  • 池田 綾子(第二東京)
  • 井上  寛(第二東京)
  • 小野  毅(横浜)
  • 竹森 裕子(横浜)
  • 石河 秀夫(埼玉)
  • 山本 宏行(千葉県)
  • 木島千華夫(茨城県)
  • 若狭 昌稔(栃木県)
  • 橋爪  健(群馬)
  • 大石 康智(静岡県)
  • 關本 喜文(山梨県)
  • 髙橋 聖明(長野県)
  • 藤田 善六(新潟県)
  • 平  哲也(新潟県)
  • 竹岡富美男(大阪)
  • 米田 秀実(大阪)
  • 平野 惠稔(大阪)
  • 白浜 徹朗(京都)
  • 幸寺  覚(兵庫県)
  • 武本夕香子(兵庫県)
  • 兒玉 修一(奈良)
  • 元永佐緖里(滋賀)
  • 中原 淳一(滋賀)
  • 木村 義人(和歌山)
  • 花井 増實(愛知県)
  • 池田 桂子(愛知県)
  • 川端 康成(三重)
  • 森  裕之(岐阜県)
  • 寺田 直樹(福井)
  • 西村 依子(金沢)
  • 水谷 敏彦(富山県)
  • 木村  豊(広島)
  • 清水 弘彦(山口県)
  • 吉岡 康祐(岡山)
  • 足立 珠希(鳥取県)
  • 熱田 雅夫(島根県)
  • 斉藤 芳朗(福岡県)
  • 小倉 知子(福岡県)
  • 江崎 匡慶(佐賀県)
  • 梶村 龍太(長崎県)
  • 西畑 修司(大分県)
  • 馬場  啓(熊本県)
  • 大脇 通孝(鹿児島県)
  • 町元 真也(宮崎県)
  • 阿波連 光(沖縄)
  • 岩渕 健彦(仙台)
  • 大峰  仁(福島県)
  • 安孫子英彦(山形県)
  • 藤田 治彦(岩手)
  • 京野 垂日(秋田)
  • 竹本 真紀(青森県)
  • 太田 賢二(札幌)
  • 田村 智幸(札幌)
  • 木下 元章(函館)
  • 金  昌宏(旭川)
  • 阪口  剛(釧路)
  • 馬場 基尚(香川県)
  • 上地大三郎(徳島)
  • 大塚  丈(高知)
  • 大熊 伸定(愛媛)

 

監事

  • 佐々木広行(東京)
  • 井上 裕明(第一東京)
  • 丸山 和貴(群馬)
  • 河村 利行(大阪)
  • 板垣謙太郎(三重)

会長特別補佐(事務総長付特別嘱託)の紹介

男女共同参画推進の見地から、会長を補佐するために、4月1日付けで次の会員を会長特別補佐(事務総長付特別嘱託)に任命しました。

 

水地 啓子(横浜・35期)

水地   啓子


 

稲田知江子(高知・49期)

稲田知江子


 

 

人権擁護大会プレシンポジウム
母子家庭における子どもの貧困
その原因と実効的施策を考える
3月7日 弁護士会館

第58回人権擁護大会シンポジウム第1分科会(10月1日・千葉市)は、「女性と労働」と題し、女性の貧困問題を取り上げる。
この議論につなげるため開催した本シンポジウムでは、母子家庭と子どもの貧困に関し、母子政策、生活保護等の観点から問題を掘り下げ、あるべき施策について議論を交わした。

 

冒頭の基調報告で、両性の平等に関する委員会の押見和彦特別委嘱委員(東京)は、子どもの約6人に1人、ひとり親世帯の半数以上が貧困にある実態を報告し、児童扶養手当の増額など、子どもの貧困対策の具体的施策を可及的速やかに実施すべきであると提言した。

続く基調講演では、国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部の阿部彩部長が、ひとり親の中でも、特に若年の母親は、親や配偶者から暴力を受ける等、自分自身にも問題を抱えていることが少なくなく、表面的な支援だけでは解決にはならないと述べた。

パネルディスカッションでは、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事が、母子家庭の現状について「シングルマザーの半分以上が非正規労働者で、経済的な余裕がない」と述べ、ジャーナリストのみわよしこ氏は、釧路公立大学と釧路市が共同で行った生活保護受給母子世帯への調査結果について、「母子家庭の母親の最終学歴は、84%が高卒までであり、健康状態が良くないケースも多い」などと報告した。

藤原千沙准教授(法政大学大原社会問題研究所)は、就業率が高いにもかかわらず貧困率が高い日本の母子家庭は世界的に特殊であり、働くことが貧困脱却につながらない現状や子育て世帯への所得再分配が少ない現状を改善すべきと論じた。また、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人の山野良一氏は、教育の担い手である教員への教育など、貧困についての正しい知識を持ってもらうことが必要と訴え、満場の参加者はこれに聞き入っていた。

 

会員向け勉強会
マネー・ローンダリング規制の新しい展開
3月9日 弁護士会館

2014年11月、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)の一部を改正する法律が成立した。日弁連では「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程」および同規則により、会員に対して、依頼者の本人特定事項の確認等を義務付けているが、法改正に伴い、規程等の改正の必要が生じることが予想される。そこで、警察庁から講師を招き、法改正の経緯・内容や今後の見通しなどについて話を聞いた。

 

講師である警察庁刑事局組織犯罪対策部・組織犯罪対策企画課・犯罪収益移転防止対策室の尾嵜亮太課長補佐から、犯収法改正の経緯について、「FATFの対日相互審査において、日本のマネー・ローンダリングに対する取り組みが一部不十分と指摘されたことを受け、2014年7月に公表された『マネー・ローンダリング対策等に関する懇談会報告書』(報告書)に基づき、犯収法の改正がなされた」との説明があった。

また、報告書では、国によるリスク評価結果に基づき、高リスクな取引を厳格な取引時確認等の措置の対象に加え、低リスクな取引については義務を軽減・解除すること(リスクベース・アプローチ)や取引時の本人確認書類として写真なし証明書を利用する場合、取引関係書類を顧客の住居に送付する等の補完措置を導入することなどが提言されていることが紹介された。

次に、法改正の内容について、「改正法では、リスクベース・アプローチの前提として、毎年、国家公安委員会が、取引の種類ごとにマネー・ローンダリングに悪用されるリスクを評価して犯罪収益移転危険度調査書を作成・公表することが定められ、顧客管理措置の実施に関する内部規程の策定・顧客管理措置の責任者の選定など、事業者が行う体制整備の努力義務が拡充された」と説明した。また、「報告書の提言のうち、改正法で規定されていないものについては、現在検討中の政省令に盛り込んでいきたい」と今後の見通しを述べた。

 

事業再生シンポジウム
特定調停スキームの活用と経営者保証ガイドラインの運用
3月10日 弁護士会館

中小企業の抜本的な事業再生スキームとして2013年12月から開始された特定調停手続の新しい運用(特定調停スキーム)を周知し、利用を推進することを目的として、本シンポジウムを開催し、弁護士のほか、最高裁判所、中小企業庁、金融庁、金融機関、中小企業関連団体、士業団体などの関係者ら、多数の参加を得た。

 

シンポジウムには弁護士のほか、最高裁判所、中小企業庁、金融庁、金融機関、中小企業関連団体、士業団体などの関係者らが多数参加した

シンポジウム当日、日弁連と中小企業庁は、中小企業・小規模事業者の事業再生に対する支援について、連携を強化し対応を進めるべく、共同コミュニケ「中小企業の事業再生支援に向けた中小企業庁と日本弁護士連合会の連携の拡充について」を締結した。

冒頭挨拶で、中小企業庁の小林利典次長は、「個人に依存した融資制度の見直しに加え、保証債務の整理に関する手続が整備されることで、中小企業が思い切った事業展開ができれば」と今後の期待を述べた。

第一部の発表では、日弁連中小企業法律支援センターの高井章光事務局長(第二東京)が、特定調停スキームについて、「裁判所が当事者双方の申立ての趣旨の範囲内で事件解決案を示し、決定告知から2週間以内に異議が出なければ解決案が効力を持つ、いわゆる17条決定が使えるなど、使い勝手が良い」とし、申請前に金融機関と協議して調整する中で、弁済条件等について理解を得ることが重要になると説明した。同スキームと同時期に策定された経営者保証ガイドラインの利用について、同センターの堂野達之事務局次長(東京)は、「主債務と保証債務を一体で判断し、破産の配当を上回る回収ができるという経済的合理性が要件として重要」と強調した。

また、公認会計士の相澤啓太氏は、資産評価には弁護士以外の士業の協力が不可欠であるが、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された認定支援機関に経営改善計画策定を依頼する支援事業を利用すると、計画の策定費用やデューディリジェンス費用の一部に補助を受けられることを紹介した。税理士の平井貴昭氏は、特定調停を利用して債務免除を得た場合の課税問題について、国税庁回答に従った解決内容を説明した。

第二部のパネルディスカッションでは、相澤氏が、「計画策定のためのヒアリングで初めて問題点が浮き彫りになることも少なくない。経営陣に問題意識を持ってもらうためにも早めの専門家の関与が必要」と訴え、実際に経営者保証ガイドラインによる保証債務整理に特定調停スキームを活用した経験のある三村藤明会員(東京)は、「特定調停は裁判所が行う信頼性の高い制度であり、期日が早く入れば、より使い勝手の良い制度になる」と述べ、平井氏は、「特定調停スキームは税務上のリスクがほぼ解消されたので、経営者のやる気を引き出すためにも積極的に利用してほしい」と金融機関に呼び掛けた。


 

民放連との懇談会
特定秘密保護法、東日本大震災等について意見交換
2月13日 弁護士会館

今回で25回目を迎える日本民間放送連盟(民放連)との懇談会では、①特定秘密保護法について、②東日本大震災について、③災害報道についてをテーマに意見交換を行った。

 

テーマ①については、まず民放連側から、法律制定から現在に至るまでの経緯と民放連の対応を踏まえた報告がなされた。日弁連からは、秘密保護法対策本部の江藤洋一本部長代行(第一東京)が、この問題に関する現在の日弁連の基本的立場と法律の基本的な問題点について説明し、同本部の清水勉幹事(東京)が、政府の情報保全諮問会議のメンバーとしての活動を踏まえた実務上の問題点を指摘した。

テーマ②については、日弁連から、災害復興支援委員会の平岡路子委員(福島県)が地元福島県における震災・原発災害からの復興の現状について報告を行い、民放連からは、実際に放映されたドキュメンタリー番組の一部の紹介も含めた報告がなされた。

テーマ③については、民放連から、「広島土砂災害報道・現場取材者の声から」と題し、取材される側に対する配慮の必要性や取材現場の悩みについて報告があり、日弁連からは、人権擁護委員会第5部会の西岡弘之委員(東京)が、これまでの災害報道におけるさまざまな問題点を法的観点から説明した。

最後に、昨年、自民党から在京のテレビキー局各社に対し、衆院選の報道に当たり「公平中立、公正の確保」を求める要望がなされたことについて、人権擁護委員会の神田安積副委員長(第二東京)が、選挙に当たり、政党がメディアに対し報道の在り方について「要望」することの問題性を指摘した。

以上、それぞれのテーマに関する報告・説明の後、双方から活発に意見が述べられ、報道と人権について直接意見を交わす貴重な機会となった。

(人権擁護委員会人権と報道に関する特別部会 部会長 坂井 眞)


 

民法(債権法)改正に関する研修会
3月13日 福岡市

2月24日、法制審議会において民法(債権関係)改正要綱が決定され、3月31日に民法(債権関係)改正法案が閣議決定された。
日弁連では、会員に対しこの改正内容の周知を図るため、2014年度から2015年度にかけ、まず東京と大阪を除く高裁所在地で研修を開催する予定である。第1回目となる今回の研修は、九州弁護士会連合会、福岡県弁護士会の協力を得て開催した。

 

法制審議会民法(債権関係)部会幹事の深山雅也会員(第二東京)が、消滅時効について、時効期間の算定方法および新たに導入される協議による時効の完成猶予などの改正点、さらに、売買と請負における担保責任について現行法と改正要綱の相違点を分かりやすく説明した。

その後、消費者問題対策委員会の副委員長であり、司法制度調査会の民法改正バックアップチームのメンバーでもある黒木和彰会員(福岡県)が、今回の改正で導入される定型約款について、また、消費者問題対策委員会委員の千綿俊一郎会員(福岡県)が新たに導入される保証人の保護規定について、それぞれ説明した。

ほぼ会場いっぱいの120人の会員が九州、沖縄各地から参加し、最後まで熱心に研修に参加していた。

なお、今後は、4月に名古屋、8月に札幌、9月に仙台、11月に広島、来年3月に高松で研修会を開催する予定である。

(司法制度調査会 民事部会長 矢吹徹雄)


 

ひまわりお悩み110番
開設2周年記念 無料法律相談会を実施
2月28日 有楽町駅前 地下広場

2013年3月1日に開設した法律相談センター全国統一ナビダイヤル「ひまわりお悩み110番」(0570―783―110)が開設2周年を迎え、順調に架電件数を伸ばしている。
同ナビダイヤルの市民へのさらなる周知を目的として、無料法律相談会を実施した(共催/東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)。

 

委員らの呼び掛けに多くの市民が足を止めた

無料法律相談会の実施に当たっては、読売新聞、朝日新聞への広告掲載、東京23区の各区役所へのチラシ送付、日弁連ホームページでの告知などを行い、広く参加を呼び掛けた。また、当日は、26人の会員が法律相談、ポケットティッシュの配布、プラカードによる呼び込み等を行った。

無料法律相談会には、43組の来所があった。同相談会の認知経路としては、「新聞広告」が最も多く、「通り掛かり(当日の呼び込み)」もほぼ同数であった。

相談者に対するアンケートによれば、29人中20人が、弁護士会が法律相談センターを運営していることを知らなかったと回答し、知っていたとの回答者のうち、法律相談センターを利用したことがあるのは4人にすぎなかった。今後さらなる広報活動が必要であることを実感するアンケート結果であった。

さらに、相談を受けた感想については、良かったとの回答がほとんどを占め、気軽に相談できて助かった、同様のイベントの開催を希望する、もっと広報宣伝を積極的にしてほしいなどの声が寄せられた。

会場が有楽町駅前地下広場という人通りの多い場所であったこともあり、用意した約6000個のポケットティッシュをすべて配布することができた。この点でも大きな広報効果があったと思われる。

(日弁連公設事務所・法律相談センター統一ナビダイヤルPT座長 上田英友)


 

院内集会
カジノ解禁について考える
3月3日 参議院議員会館

カジノを一定の条件の下に解禁・推進する法案は、2014年11月の衆議院解散に伴い廃案となったが、2020年の東京オリンピック開催に向けて解禁を目指す議論がいまだに活発になされている。
このような現状を踏まえ、諸外国の実例や日本におけるカジノ解禁による弊害について議論を深めるため、院内集会を開催した。

 

統合型リゾートの問題点について講演した鳥畑教授

統合型リゾートの問題点

冒頭、鳥畑与一教授(静岡大学人文社会科学部)が講演を行った。同教授は、カジノに商業施設やホテルを併設する、いわゆる「統合型リゾート」(IR)について、その建設や運営による経済波及効果の大きさばかりが取りざたされるが、これはカジノの収益獲得のため過大な負荷がかかることを意味すること、東京お台場や大阪などで実際に構想されている規模のIRをビジネスとして成立させるためには、毎年巨額のカジノ収益を獲得する必要があり、諸外国の例を見ると、相当程度国内客の負け金額を見込まなければならないことを指摘した。そして、IRによる地域経済活性化を図った米国アトランティックシティにおいて行った調査では、むしろ周辺地域での商業売上減少や、雇用状況の悪化が見られることからも、「IRは破綻しつつあるビジネスモデル」であると警鐘を鳴らした。

 

国会議員、各団体からも反対の声が相次ぐ

出席した国会議員、各団体からも、「国民すべてをギャンブル漬けにし、依存症者を増大させる」「国民を幸せにする要素が何一つない」などとカジノ解禁に反対する声が次々に上がった。最後に、多重債務問題検討ワーキンググループの新里宏二座長(仙台)が、「カジノ解禁によって狙われるのは国民一人一人の個人資産。安心して暮らせる社会を守るため、カジノ解禁を何としても阻止しよう」と力強く訴えかけ、会場もこれに応じていた。

 

研修会
こう使おう!
情報セキュリティガイドライン
2月24日 弁護士会館

タブレット型のパソコンやスマートフォンが普及し、弁護士業務における情報通信機器の利便性がますます向上している。しかし、インターネット上の情報は一度流出すると、回復し難い損害をもたらすことになり、機密情報を扱う会員は、そのリスクを認識し、情報セキュリティ対策を講じる必要がある。本研修では、情報セキュリティへの意識を高めるため、具体的な対応策を説明した。

 

日弁連では、インターネット上の掲示板(メーリングリスト)における情報流出問題を端緒に、2013年12月に「弁護士情報セキュリティガイドライン」を制定し、会員や事務職員を対象とした研修会を開催するとともに、ブロックごとにキャラバン(意見・情報交換会)を行っている。

研修では、最近問題となっているリスク情報について、白木麗弥会員(第一東京)が講師を務め、「文字入力ソフトやネット上の翻訳サービスの利用などを通じ、無意識のうちに情報が流出する場合もある」と警鐘を鳴らした。

また、ツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービスを活用する会員も多いが、何気なく発信する位置情報や写真が思わぬ情報流出につながるので、プライバシー設定には十分な注意が必要、とサービス利用による守秘義務違反のリスクや具体的な対応策を説明した。さらにメーリングリストの利用に際しては、事前に利用規約や設定を確認するだけでなく、メーリングリストで発信可能な情報と、発信してはならない情報を意識して利用するよう、あらためて注意を促した。

研修後は、関東ブロックの意見・情報交換会を開催し、各弁護士会におけるガイドラインの周知、活用方法について、活発な議論を交わした。今後も、同様のキャラバンを全国的に開催する予定である。

*日弁連の弁護士情報セキュリティガイドラインは、会員専用ページからご覧いただけます(HOME≫ 書式・マニュアル≫ その他弁護士業務)。

 

自治体内弁護士等対象
研修・経験交流会
3月7日 大阪弁護士会館
3月14日 弁護士会館(東京)

日弁連は、自治体の行政運営に資するため、自治体内部で活躍する弁護士の任用促進に取り組んでいる。自治体の常勤職員として活躍する弁護士等は87人(3月2日現在)で、徐々にではあるが広がりを見せている。
このような自治体内弁護士等のバックアップと経験交流を目的として、3月7日には大阪(参加者39人/関係者を除く)、3月14日には東京において(参加者25人/同上)、研修・経験交流会を開催した。

 

前半は、「自治体内弁護士の業務について―近時の法改正・立法を踏まえて―」と題し、法律サービス展開本部自治体等連携センターの橋本勇委員(第一東京)を講師に迎え、研修を行った。

研修では、来年4月から改正法の施行が見込まれている行政不服審査法や地方独立行政法人法、地方財政法をはじめとした、近時の法改正や立法について、その背景にある判例紹介と立法趣旨等について説明がなされた。

後半は、自治体において各自が担う業務を中心に意見交換を行った。

意見交換では、職員から寄せられる相談への対応方法として、事前に相談票を準備してもらった例、逆に、相談の敷居を下げるために相談票を廃止した例、正確な相談結果を持ち帰ってもらうために相談終了後に協議報告書を手交した例など、さまざまな庁内相談の工夫が紹介された。さらに、職員向け研修の講師を行うに当たってテーマ選定等に苦労したこと、顧問弁護士や外部の弁護士との連携に当たり、専門性や難易度等を踏まえて、どのようにすれば円滑に進められるかを念頭におきながら判断していることなど、各現場の実践経験が披露された。

また、ヒヤリ・ハット体験の共有や、先例が法律解釈に適合していない場合の対処法、上司との関係等、さまざまな業務上の悩みのほか、日弁連・弁護士会への要望などの意見も出された。

 

女性インハウスのためのキャリアアップセミナー
法務トップが語るステップアップのカギ
各地から参加/交流会も盛況
2月21日 弁護士会館

企業内弁護士の約4割を占める女性企業内弁護士に向け、経験豊富な先輩がキャリアアップの秘訣などを語るセミナーを開催し、続く交流会では、同じ悩みを抱える女性会員らが交流を深めた。

 

経験者が語る、ステップアップのカギ

第一部のセミナーで、講師の井上由理会員(東京/昭和シェル石油株式会社常務執行役員・法務統括部長)は、法務担当者に求められる資質として、「好奇心や経験等を含む法務実務力と伝達力が必要」と述べ、それぞれをうまく用いるバランス感覚や大局観が求められると指摘した。また、井上会員自身のキャリアがエピソードを交えて紹介された。法律事務所時代に担当した一般民事事件を処理する中で、法的思考の鍛錬や対立する当事者の利害調整を経験し今も役立っていること、留学経験、子育てとの両立の苦労などに加え、企業内弁護士として、未経験分野への対応、管理者としての経験の積み重ね、リーダーシップへの意識が重要であると語った。組織に依存せず仕事ができる資格があることが、フェアプレイのための精神的なタフさを支えているとの話もあった。

 

スキルアップのヒント

最後に井上会員は、キャリア形成のプロセスについて、「正確に課題をこなす若手の時期から、問題解決策の提案が的確にできるようになる時期へ、そして複数セクターを担当し、他部門を含めた調整、マネジメント能力が必要な10年以上のクラスへ」というモデルを示した。そして、参加者に対し、「私を助けてくれる人がいた。サポートしてくれる人を作ってきた」「皆さんもいろいろな人からいろいろな形で頼りにされる存在で存り続けてほしい」とメッセージを送った。

第二部の交流会では、参加者同士が自らの経験や悩みを率直に交換する機会となり、時間を延長するほど盛況であった。

(司法改革調査室嘱託 工藤美香)


 

JFBA PRESS -ジャフバプレス- Vol.98

インタビュー
児童養護施設「光の子どもの家」

児童虐待防止法が施行されて約15年、全国の児童相談所で対応した児童虐待相談対応件数は増加の一途をたどり、2013年度は速報値で73,765件にも及んでいます。児童虐待の現場で何が起きているのか、30年以上子どもの支援に取り組む埼玉県の児童養護施設「光の子どもの家」を訪ね、菅原哲男理事長から同施設の取り組みなどについてお話を伺いました。

(広報室嘱託 小口幸人)


 

「光の子どもの家」の活動内容を教えてください

「法律の専門家には、福祉制度全体の在り方を真剣に議論してほしい」と語る菅原理事長

1985年に社会福祉法人となって以来30年間、虐待を受けた子どもたちと向き合ってきました。現在36人の子どもがいます。ほぼ全員が虐待を受けた経験があります。

1人の保育士が2人から5人の子どもの「親」として、同じ居住棟で生活しています。朝5時半に朝食の準備を始め、学校に送り出し、帰ってくるのを迎えて、夜は寝かしつける。普通の家庭で子どもが体験できることをここでも体験できる。それを目標にやってきました。

 

児童虐待が増え続けています。原因は何でしょうか

人間は元来自己中心的な存在ですが、親となれば「子どものために」と利他的になるものだと思います。しかし最近は、親になる心構えがあまりにも低いのではないでしょうか。自分がしたいことに何の制限もかけない、そんな風潮が全国に広がっていると思います。

離婚して引き取った子が、再婚した自分たちの性生活を邪魔すると腹を立てる。やがて憎しみに変わっていき、食事を与えずに餓死させるといったような例が後を絶ちません。子どもの存在にかかわらず、どこまでも利己的な親。これが根本的な問題だと思います。

 

30年間携わる中で実感する変化はありますか

30年前のオープン当時は、子どもを受け入れるとき必ず親が一緒に来て、その子の性格や嗜好など、その後の生活で有用な点について話をする機会がありました。そんなとき私からは、いきなりここに置いていくのではなく、一緒に食事をとって、お風呂に入り、寝かしつけるぐらいはしていってほしいと話していました。これが、最初の日のやりとりです。以前は、虐待する親でも例外なくこれをやってくれました。しかし、今は虐待する親から子どもを引き離すことが先決であるような深刻な事例が増えたこともあり、こういうやり取りもなくなってしまったように思います。

 

児童虐待件数の推移は

児童相談所の相談対応件数は、特にここ数年は平均して年10%以上増え、来年は8万件に達すると言われています。それでも、現在の数字は氷山の一角だと思います。アメリカでは、虐待の相談が年間300万件あるので、日本でも100万件あってもおかしくありません。

 

児童養護施設の現場はどのような状況ですか

全国の児童養護施設の定員は約3万人、平均在籍期間は4.6年ですが、虐待は年間7万件も起きています。その結果、児童養護施設に入所するのは問題が重度化した子どもたちばかりになっています。現場は大変です。「かわいいね」と言えば「うるせー」と返してくる子どもばかり。子どもは、殺伐とした環境で育つと、殺伐とした言葉が普通になってしまいます。身につけた言語が暴力的な言葉しかない。相手を思いやる言葉を知らずに育っています。かかわる職員らの心理的な負担は生半可ではありません。

 

会員に対するメッセージをお願いします

法律の専門家には、福祉制度全体の在り方を真剣に議論してほしいと思います。

1960年代の後半に、労働条件を整えないと良い仕事ができないということで、福祉関係者の労働問題ばかりが語られた時代がありました。福祉労働者論という講義も大学で行われるようになりました。労働条件の改善が福祉の改善だという形で。それ自体を否定するものではありませんが、労働条件が良くなったら福祉は本当に良くなるのか、という問い返しがなかったと思います。親の人格を三交代の職員で分担することはできません。子どもとの信頼関係を築くために、労働時間は終わったけれどもう少し一緒にいたい、と思うのは現場にいる私たちの本心です。しかし、その通りにはいかないという現実もあります。その現実の中で子どもが十分な愛情を感じられるかというと難しい側面もあると思います。

福祉の現場が、福祉の質と労働問題との間で葛藤している。そういう現象がいろいろなところで起きていることに心を痛めています。


 

日弁連委員会めぐり 74

刑事拘禁制度改革実現本部

代用監獄の廃止・国際水準に合致した未既決の刑事拘禁制度改革の実現を

2007年6月、約100年ぶりに監獄法が改正されるに至りました。しかし、代用監獄の廃止はいまだに実現していません。また、刑事施設における医師不足の問題が深刻化しています。
今回は、刑事拘禁制度改革実現本部の海渡雄一本部長代行(第二東京)と小竹広子事務局次長(第二東京)にお話を伺いました。

(広報室嘱託 倉本義之)


 

海渡本部長代行(左)と小竹事務局次長

刑事拘禁制度改革実現本部の設置経緯を教えてください

(海渡)当本部の前身である「拘禁二法案対策本部」は、拘禁二法案(刑事施設法案・留置施設法案)への反対運動のため、1982年に設置されました。その後発展的に改組され、2004年に、現在の本部に改称されました。代用監獄の廃止と国際水準に合致した未既決の刑事拘禁制度改革の実現に取り組んでいます。

 

主な活動内容を教えてください

(小竹)代用監獄の廃止に向けての継続的な取り組みのほか、刑事施設(留置施設)視察委員会の弁護士委員支援のため、弁護士委員の全国連絡会議を開催したり、電話・ファクシミリによる外部交通のさらなる展開に向けた活動などにも取り組んでいます。また、われわれの活動状況を会員の皆さんに対して周知すべく、定期的に刑事拘禁制度改革実現本部ニュースを発行しています。直近の活動の詳細などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

近時、報道等で刑事施設における医師不足がクローズアップされています

(海渡)法務省が設置した有識者検討会が提出した「矯正施設の医療の在り方に関する報告書」でも、刑事施設医療が崩壊・存亡の危機にあるとされており、日弁連としても、この点の現状認識に異論はありません。しかし、刑事施設医療については、医師不足以外にも、刑事施設内における医療の独立性の確保、外部医療機関への委託の推進や刑事施設医療の厚生労働省への移管など改革すべき点が多くあり、日弁連ではこれらの点も含めた抜本的改革に向けて取り組んでいくつもりです。

 

若手会員へのメッセージをお願いします

(小竹)弁護活動により被告人の権利を守るのはもちろん大事なことですが、実刑判決により刑事施設に収容された人の権利を守るのも、弁護士の大事な仕事だと思います。若手の皆さんにはぜひ参加してもらいたいです。


 

ブックセンターベストセラー
(2014年12月)協力:弁護士会館ブックセンター

順位 書名 著者名・編者名 出版社名
1 訟廷日誌 合冊 2015 付・訟廷便覧 大阪弁護士協同組合出版関係委員会 編集 全国弁護士協同組合連合会
2 模範六法 2015 平成27年版 判例六法編修委員会 編 三省堂
3 訟廷日誌 分冊 2015 付・訟廷便覧 大阪弁護士協同組合出版関係委員会 編集 全国弁護士協同組合連合会
4 有斐閣 判例六法 Professional 平成27年版 2015 編集代表 井上 正仁・山下 友信 有斐閣
5 和解交渉と条項作成の実務 ―問題の考え方と実務対応の心構え・技術・留意点― 田中 豊 著 学陽書房
6 最高裁判所判例解説 民事篇 平成二十三年度(上)(1月~4月分)
法曹会
7 最高裁判所判例解説 民事篇 平成二十三年度(下)(5月~12月分)
法曹会
8 一問一答 平成26年改正会社法 坂本 三郎 編著 商事法務
民事交通事故訴訟の実務Ⅱ 弁護士専門研修講座 東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会 編 ぎょうせい
10 別冊判例タイムズ No.38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版 東京地裁民事交通訴訟研究会 編 判例タイムズ社

編集後記

3月23日、東京では例年より3日、去年より2日早く桜の開花宣言がされた。街のあちこちが薄ピンク色に霞み、それだけで何だか気持ちがうきうきするから不思議だ。
3月最後の週末は、少し遠出して多摩川の支流である野川の川沿いを散策した。桜と菜の花のコントラスト、澄んだ川で戯れる鳥たちに癒され、自然の持つ生命力に元気をもらうと同時に、この自然をいつまでも守らねば、という気持ちを新たにした。
桜と言えば卒業式、入学式を連想させる。日弁連でも4月から新執行部による会務執行がスタートする。新役員の方々の意気込みに接すると、身が引き締まり、何ともすがすがしい思いだ。広報室も、4月から新しい室員が「入学」する。フレッシュな感性を加え、新旧(?)室員一同、より一層会員の皆さんに有益な情報を届けられるよう、日々の業務に励みたいと思う。(M・K)