九州 熊本県弁護士会

熊本県弁護士会

  • 〒860−0078 熊本市京町1−13−11
  • TEL 096−325−0913
  • FAX 096−325−0914
  • URL http://www.kumaben.or.jp/

熊本県弁護士会の現況

熊本県は、人口約182万人、九州のほぼ中央に位置し、県東部には、世界最大のカルデラを誇る阿蘇山や1700m級の九州山地が横たわる一方、県西部には、天草島原の乱の舞台となった天草諸島の島々が連なり、山海の自然豊かな県です。

1 会員

当会の会員数は、2009年5月1日現在で177名です。そのうち160名が熊本市内及びその近郊に、6名が八代市で登録し、天草市に4名、山鹿市、玉名市及び人吉市に2名ずつ、阿蘇市に1名が事務所を構えています。県内では、熊本市に弁護士が一極集中し、阿蘇支部はワン地域、4つの支部がなんとかワン地域を脱した状態で、多くの弁護士過疎地域を抱えています。

2 裁判所の事件数

熊本県には、熊本地裁本庁のほか、6つの支部と6つの独立簡裁があります。ワン地域は玉名支部及び阿蘇支部ですが、先に述べたように、3支部が弁護士2〜3名しかおらず、弁護士過疎は深刻です。

2008年の本庁及び各支部の民事通常訴訟および倒産事件の新受件数は以下のとおりです。

  本庁 八代 玉名 山鹿 阿蘇 人吉 天草
民事通常
2057
229 189 118 55 152 107
破産(自然人) 1309 163 134 112 91 82 91
破産(法人) 132 6 3 0 0 1 1
個人再生 268 35 38 17 19 14 12

その他、地裁管内全体で、商事非訟15件、再生15件、行政訴訟23件などとなっています。

3 弁護士会の活動

当会も、他の単位会に負けじと地域住民への法的ニーズに応えるべく、様々な活動を行っています。

(1)当番弁護士

大都市圏と比べると、鉄道や高速道路などの交通インフラが必ずしも十分ではなく、天草地域の中心である天草市などは熊本市から車で片道2時間程度を要しますが、当地の弁護士の協力も得て、接見依頼から24時間以内に接見する態勢をとっています。登録弁護士による1日ごとの輪番で運営していますが、当番弁護士制度の認知度が上がるにしたがって、出動要請も増加傾向にあり、時に1日5件以上の接見依頼があるときもあって、広大な県域を1名の当番で対応することに無理が生じ、2006年10月から1日につき2名の弁護士が待機することとしました。1日1名のときにくらべて、1ヶ月強の頻度で当番が回ってくるようになりましたが、ひまわり公設事務所の相次ぐ開設によって遠方の接見を当地の弁護士に依頼できるようになったことと2名体勢となったことで、1日あたりの出動回数が減り、従前より負担感は減ったように思われます。

2009年5月21日の被疑者国選弁護制度の対象事件の拡充にともない、当番弁護士制度と被疑者国選弁護制度との調整を図るため、現在、当番弁護士制度について再検討を行っています。

(2)法律相談

熊本市の弁護士会館に法律相談センターを開設したことを皮切りに、玉名市、山鹿市、阿蘇市、八代市、天草市、人吉市に法律相談センターを開設しています。熊本法律相談センターは、2006年10月の法テラスの発足に合わせて、熊本市中心部の交通至便なビルに移転しました。法テラスも同じフロアに事務所を開設し、法テラスと連携して法律相談事業を行っています。熊本法律相談センターは、一般相談、クレサラ相談とも、平日は午前8コマ午後12コマ、土曜日は午前8コマの相談枠を設け、連日相談を実施しています。クレサラ相談は2007年4月から相談料の無料化を断行しました。各地の法律相談センターでは週1日の相談を行っております。その他、自治体や社会福祉協議会の実施する法律相談にも弁護士を派遣しており、各地の法律相談センターでの法律相談と合わせて、若手弁護士の重要な受任機会となっています。

(3)弁護士過疎対策

熊本県下では、2002年3月以前には、5つのゼロワン地域がありましたが、同年4月に人吉・球磨ひまわり基金法律事務所が開設されたのをはじめ、2004年に天草ひまわり基金法律事務所、山鹿ひまわり基金法律事務所、玉名ひまわり基金法律事務所、2005年に八代ひまわり基金法律事務所、阿蘇ひまわり基金法律事務所がそれぞれ開設されました。人吉と玉名に赴任した会員は、その後定着し、人吉市には、2006年にくま川ひまわり基金法律事務所が開設されました。2008年には、天草ひまわり基金法律事務所及び山鹿ひまわり基金法律事務所に2代目の所長が赴任しています。

(4)その他の活動

その他、各種委員会の活動も活発で、子どもの人権委員会が中心となって全件付添を実施しており、2005年4月から、家庭裁判所の観護措置決定時に少年の付添人選任の希望を聴取してもらい、希望のあった少年については当番が早急に付添人に就任する当番付添制度を始めました。消費者問題対策委員会では、適宜弁護団を結成して、悪徳商法の被害者救済に当たっています。また委員会の枠を超えて、ハンセン病訴訟、水俣病訴訟、原爆症認定訴訟など社会的意義を有する事件に多くの会員が弁護団に参加して活動しています。

(5)会員増について

当会も、他の地方の単位会と同様、長年会員数がほとんど増えずにいましたが、司法試験の合格者増に伴って、近年登録者が急増しました。しかしながら、同時に弁護士の公的活動のニーズも合わせて拡大してきており、弁護士会活動の充実や被疑者弁護の対象事件の拡大を考えたときに決して十分な会員数とはいえません。

修習生の方へのメッセージ

1 仕事面に関して

確かに、大都市でしかお目にかかれない事件はあります。熊本においては、知的財産権関係や渉外関係などの事件数は少ないことは否定できません。しかし、熊本県にも地場の大手企業もあれば、人口もそれなりにいますから、一部の大都市でしか受任機会のない特殊な事件以外は、ここ熊本県でも同じように存在しています。取り扱い事件のバラエティーという意味では、大都市と地方都市での差はないでしょう。逆に、会員数が少ないため、熊本では、行政や各種団体の委員や審査員等の役職や、破産管財人に就任する機会が若手弁護士にも十分あります。毎月何件もの「○○委員募集」のファックスが送られてきます。地方では、事件数自体が少ないと思われるかもしれません。しかし、会員数も多くはないので、各種法律相談での受任事件や先輩弁護士の紹介事件で、若手弁護士も多忙な生活を送っているのが実際です。

地方で困ることといえば、市中の書店で取り扱う専門書の量が格段に少ないことです。新刊書は弁護士会に出入りする書店が営業してくれますからいいのですが、急にとある書籍が見たくなったときに書店で手にとって見てみるということができません。しかし、オンライン書店のおかげで、大手書店に在庫があるような本なら数日で手元に届くようになりました。また、裁判所の資料室や大学の図書館を利用するという手もあり、以前ほど大都市との情報格差はなくなっているのではないかと思います。

2 プライベートライフに関して

仕事面で申し分なしということになれば、あとはプライベートライフがどうかということですが、冒頭で申し上げたとおり、熊本は海、山の大自然に囲まれています。熊本市から車で1時間も走れば、阿蘇の雄大な山並みや大草原を拝むことができます。新緑の季節に、阿蘇の草原をドライブするのは非常に爽快です。放牧された牛が草をはむ姿はまるで外国のようです。人吉球磨地域には日本三大急流の球磨川が流れ、ラフティングの後、名産の球磨焼酎で一杯などといった楽しみも。近時有名な黒川温泉をはじめ、温泉もそこらじゅうにあって、温泉天国です。片や天草方面に車を走らせれば、透明度の高いきれいな海が広がり、海水浴、ダイビング、サーフィンなどのマリンスポーツも気軽に楽しめ、新鮮でおいしい海産物を安価に味わうことができます。熊本の夏は暑いです。そういうときは、水どころの熊本、そこらの渓谷や滝に出かけて、天然のクーラーで涼んだあとは、ヤマメや鮎の塩焼きをがぶり。

大自然に触れ合えることは当然としても、熊本都市圏は人口100万人を擁するそこそこの”都会”でもあります。熊本市の繁華街の賑わいもなかなかのもので、週末は深夜2時3時でも人が溢れています。

地価が安いため、家賃も安ければ、マンション・戸建も東京に比べれば驚くほど安いです。ですので、市中心部の徒歩圏内に普通に住めます。懇親会の前に、自宅に車を置きに帰るのは当たり前の世界です。だから、熊本にはぎゅうぎゅう詰めの通勤ラッシュがありません。熊本の弁護士はほとんどが車通勤です。究極、自宅兼事務所にしてしまえば、通勤時間ゼロです。

どうしてももっと都会の空気が吸いたければ、福岡市まで車で1時間半、数年後に開通する九州新幹線を利用すれば30分強でアクセスできます。日弁連の委員になれば(ならされれば?)、東京にも頻繁に出張することになります。東京−熊本のフライトは1日16往復あり、時間を 選びません。

海外旅行なら、福岡空港まで車で1時間強、東京から成田に行くのと変わりません。また、阿蘇くまもと空港からソウル行きの直行便もあります。

3 熊本での弁護士ライフ

熊本で弁護士をすれば、ゆとりある生活環境の中で、都会的(?)娯楽も楽しみつつ、弁護士として充実した生活が送れます。あなたも熊本県弁護士会に登録しませんか。

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