全面的国選付添人制度の実現(全面的国選付添人制度実現本部)

活動の概要

少年事件で家庭裁判所の少年審判を受ける少年に、国費で弁護士を付ける制度を国選付添人制度といいます。


日弁連は、少なくとも少年鑑別所に収容されて身体拘束をうける少年の事件すべてを対象とする「全面的国選付添人制度」が必要であると考えています。


そこで、その実現をめざす運動を担うことを目的として、2009年1月、全面的国選付添人制度実現本部を設置しました。


その運動の結果、2014年4月、少年法が改正され、国選付添人制度の対象事件が大幅に拡大されました。


活動の内容及び最新の情報

1 全面的国選付添人制度に関する立法提言

日弁連は、2009年12月18日、「全面的国選付添人制度に関する当面の立法提言」を発表しました。 
 

  1. 少年鑑別所に収容され身体拘束を受けるすべての少年の事件について、
  2. 家庭裁判所の裁量に加え、少年又は保護者の請求があった場合にも、国選付添人を選任する制度の実現を提言しています。

 

2 国選付添人制度について

国選付添人制度は2000年の少年法「改正」で初めて導入されました。しかし、この制度は、非行事実に争いがある事件について検察官関与決定がなされた場合に限り、家庭裁判所が選任するというもので、年間10件以下という極めて少数の選任にとどまっていました。


その後、2007年の少年法「改正」で、検察官関与の有無にかかわらず、家庭裁判所が必要と認めた場合には裁量により弁護士付添人を選任することができるようになりましたが、その対象事件は、殺人、強盗などの重大事件に限られていたため、その選任数は、年間300人から500人程度にすぎませんでした(少年鑑別所に収容された少年は、年間約1万人以上になります。)。

 

2009年5月21日以降、捜査段階の被疑者国選弁護制度が拡大され、窃盗や傷害等の事件についても国選弁護人を選任できるようになりました。しかしながら、家裁送致後には、国選付添人の対象事件が限定されたままであったため、国選弁護人が引き続き国選付添人として活動できない、という矛盾が生じていました。


日弁連が運動を進めた結果、2014年4月、少年法の一部を改正する法律が成立し、国選付添人の対象事件が被疑者国選弁護制度と同一範囲の死刑・無期又は長期3年を超える懲役・禁錮の罪の事件まで拡大されました。これは、少年鑑別所に収容され身体拘束された少年の約8割を対象とするものであり、大幅な前進であると評価できるものです。


しかしながら、日弁連の求める身体拘束された少年の事件全てを対象とするものではなく、また、少年又は保護者の請求による選任も認められていません。今後も,日弁連のめざす全面的国選付添人制度の実現に向けて取組を進めていく必要があります。

 

 

3 主な活動

  1. 全面的国選付添人制度実現のための立法運動
  2. 全面的国選付添人制度を実現するためには、少年法改正が必要です。そのために、広く市民にその必要性を訴えるとともに、政府、国会に対して、法改正の働きかけを行っています。

 

2.  少年保護事件付添援助制度

日弁連では、家裁が国選付添人を選任しないという判断をした事件や国選付添人制度の対象外事件であっても、資力のない少年が弁護士付添人を選任できるようにするため、全国の弁護士が負担する特別会費で運用する少年保護事件付添援助制度を作り、すべての事件について、弁護士費用を援助しています。

 

3.  全国の弁護士の対応態勢の整備

全国の弁護士会では、付添人を担当する弁護士を増やし、特に、被疑者段階で国選弁護人がついた事件について、家裁送致後も引き続き弁護士が付添人として活動する態勢の確立を図っています。

 

4.  当番付添人制度の全国実施

当番付添人制度は、少年鑑別所に収容された少年について、少年から依頼があった場合に1回につき無料で弁護士が面会する制度です。被疑者段階で弁護人がついていない少年についても、これを契機に弁護士と面会し、その弁護士が引き続き付添人として活動することを予定しています。全国の弁護士会で実施しています。

 

5.  弁護士活動の質的向上を目指す取組

少年事件を担当する弁護士は一気に増加しましたが、日弁連では、あわせて付添人活動が少年の利益となるよう、活動の質の確保、向上を目指す取組をしています

 

6.  シンポジウムの開催

市民の皆様に弁護士付添人の意義と全面的国選付添人制度の必要性を理解していただくために、各地でシンポジウムを開催しています。

  
→すでに開催されたシンポジウム

 

参考資料

(1)パンフレット
(2)付添人活動の基礎知識
(3)シンポジウム報告書
(4)少年保護事件弁護士付添人選任数・援助利用件数の推移及びグラフ

 

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