高齢者・障害者の権利(高齢者・障害者の権利に関する委員会)

活動の概要

日弁連は、1998年1月に、高齢者・障がい者の権利の確立と自立の支援及び権利侵害の予防・救済の見地から、1.高齢者・障がい者の権利及び制度に関する総合的調査・研究・提言、2.各弁護士会が行っている高齢者・障がい者問題に関する諸活動の連絡・調整及び支援、3.その他、高齢者・障がい者の権利や制度を充実・発展させるための諸活動を行うために、高齢者・障害者の権利に関する委員会を設置しました。


委員会は、全国からの80余名の委員・幹事より構成され、上記目的を達するための調査・研究・提言を行っています。具体的には、1.成年後見制度に関する研究(第1部会)、2.障がい者の権利擁護に関する研究(第2部会)、3.高齢者や障がい者の虐待防止に関する研究(第3部会)、4.弁護士会に設置されている高齢者・障害者支援センターの活動に関する研究(第4部会)、5.高齢者や障がい者の医療問題に関する研究(第5部会)に分かれて活動をしています。


1 高齢者虐待防止のための取り組み

2006年4月に高齢者虐待防止法が施行されたことを受けて、「高齢者虐待防止法活用ハンドブック」を出版したほか、社会福祉士会と弁護士会との連携による高齢者虐待対応専門職チームの設置を呼びかけています。


2 高齢者・障がい者の消費者被害問題についての取り組み

近時、悪質な訪問販売業者などが高齢者・障がい者の判断力や交渉力の不足に乗じ、住宅リフォーム工事や布団・呉服の購入などを次々と契約させる事例が急増して社会問題化しています。


当委員会では、消費者問題対策委員会と協働してこの問題に関する検討を行い、2006年2月には「高齢者・障害者の消費者被害110番」を実施して被害事例の収集と具体的被害救済を行いました。


また、2008年11月には、高齢者・障がい者の消費者被害の現状と課題の分析結果、被害救済のための各地の取り組み例や被害救済の実務に参考となる情報を盛り込んだ「消費者・福祉部門の連携づくり~高齢者・障がいのある人の消費者被害の防止・救済のために」を発行しました。


3 成年後見制度に関する調査・研究

成年後見制度の充実は高齢者・障がい者の権利擁護のために不可欠ととらえ、高齢者・障がい者にとってよりよい制度のあり方につき検討をしています。2005年に「成年後見制度に関する改善提言」を発表したほか、成年後見事務の円滑な遂行のための方策を検討しています。


後見人等の職務において、金融機関との取引は被後見人等の財産を管理する上で不可欠のもので、その職務を円滑に遂行するためにはできるだけ統一的かつ合理的なものであることが望まれるところです。



しかしながら、現状では金融機関側の求める諸手続が統一されておらず、その取扱いが合理的でないものも少なくなく、後見実務の遂行に支障をきたすような事例も生じています。そこで、各金融機関における成年後見事案の取扱いについて照会し、現状の正確な把握を行うとともに、金融機関に成年後見制度に関する取扱いについて検討を促すべく、「成年後見制度に関する取扱いについてのアンケート」を2008年6月に実施しました。


アンケートは、各地の会員が実際に成年後見人等の職務として利用したことのある銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合など全国約400の金融機関を対象とし、256の金融機関からご回答いただきました。今般、その結果を集計し、分析と考察を行いました。


また、任意後見制度が安心して広く利用されるための法制度・運用改善について検討し、2009年7月に 「任意後見制度に関する改善提言」を発表しました。


4 「高齢者・障害者権利擁護の集い」の開催

2002年度から年1回、「高齢者・障害者権利擁護の集い」を全国各地で開催しています。これまでは、行政・医療との連携、高齢者・障がい者への虐待予防などをテーマに、高齢者・障害者支援センターの活性化や社会福祉協議会、福祉専門職とのネットワーク構築を目的として開催してきました。2008年度は、11月21日に岡山にて「高齢者・障がい者の未来に向けてのセーフティネット-虐待と親なき後を例にして」をテーマに開催いたしました。


5 高齢者・障がい者の相談体制整備について

現在、全国52の弁護士会で高齢者・障害者支援センター(財産管理センター)が設置されていますが、各センターにおける相談体制の整備・活性化について検討を行っています。


6 触法障がい者の支援

当委員会では、罪を犯した知的障がい、発達障がい、あるいは精神障がい等のある人たち(触法障がい者)の権利と、ノーマライゼーション実現のための検討を行っています。
2011年10月には、障がい者支援を前提とした刑事弁護が広く普及されることを目指し、会員に対する啓発チラシを作成しました。


7 高齢者・障がい者に関する震災対応への取組

当委員会では、高齢社会対策本部と合同で高齢者・障害者に関する震災対応プロジェクトチーム(以下「震災PT」という。)を設置し、東日本大震災で被災した高齢者及び障がい者への支援活動について取り組んでいます。



障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会

東京電力福島第1原発事故では、障がい特性から賠償に関する基礎的な情報も得られず放置されている人が少なくありません。


震災PTと日本障害フォーラム(JDF)、福島県弁護士会と協議を重ね、障がい者や支援者向けに、わかりやすい原発賠償に関する学習会を福島県内で実施いたしました(全5回)。


第1回 2012年1月29日 郡山市内
第2回 2012年5月29日 いわき市内
第3回 2012年6月29日 南相馬市内
第4回 2012年8月25日 福島市内
第5回 2012年8月26日 会津若松市内


※受講者は障がい者、家族、支援者等 いずれも50~ 100名程度です。



受講者からは「東電の書類は難しくて理解できない。」、「原発避難で人工透析の回数が減ったなど同様の被害者が簡単に請求できる書式はないか?」等の声が寄せられました。

そのため、当委員会では、「障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会 Q&A マニュアル」をひらがなのルビ付きで制作し、学習会で配布しました。

 

テキストには「障がいに伴う特別な事情に関する説明書モデル」、や「障がいに起因する特別な損害に関する賠償金額の目安」等を盛り込み、実践的に役立つ情報を提供しています。

 

東日本大震災で発生した福島第一原子力発電所事故の被災者には、その障がい特性から損害賠償に関する基礎的な情報を得ることが難しく、放置されている人が少なくありません。このマニュアルは、障がいのある人やその家族・支援者等に対し、分かりやすく解説するべく、上記学習会において利用したものです。

 

初版は、2012年に学習会のテキストとして利用していたものですが、今回新たに内容を改訂し、第二版として発行いたしました。 

是非御活用ください。

 

◆初版、2012年9月作成

PDF障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会Q&Aマニュアル(PDFファイル;591KB)

 

Word障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会Q&Aマニュアル(Wordファイル;1.9MB)

 

◆第二版、2013年9月発行

PDF障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会Q&Aマニュアル(PDFファイル;570KB)

 

Word障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会Q&Aマニュアル(Wordファイル;2.2MB)

 

シンポジウム「災害時における個人情報の適切な取扱い〜高齢者・障がい者の安否確認、支援、情報伝達のために」(2014年1月20日)

2014年1月20日に札幌市において標記シンポジウムを開催いたしました。

 

同シンポジウムは、2013年6月に改正された災害対策基本法の内容を踏まえたシンポジウムで、自治体職員をはじめ多くの方々に御参加いただき、反響も大きかったため、当日の様子を動画配信することといたしました。当日参加できなかった方も広く御活用ください。

 

別のページへリンク 当日のシンポジウムの様子(動画配信:198分)

発行書籍・報告書・意見書の紹介

書籍

  • 高齢者・障害者施設での金銭管理Q&A(あけび書房・2006年)
  • 高齢者虐待防止法活用ハンドブック(民事法研究会・2006年)
  • Q&A高齢者・障害者の法律問題【第2版】(民事法研究会・2007年)

→詳細はこちらをご覧下さい。


意見書・会長声明等

高齢者・障がい者に関するQ&A集

icon_pdf.gif 高齢者・障がい者に関するQ&A集(PDFファイル;245KB)