特許庁「商標審査基準」改訂案(平成26年特許法等の一部改正対応)に対する意見書

 

icon_pdf.gif意見書全文(PDFファイル;112KB)

 2014年7月10日
 日本弁護士連合会


 

本意見書について

 

商標法改正による地域団体商標制度における登録主体の拡充(商工会、商工会議所及び特定非営利活動法人の追加)を受け、特許庁において「商標審査基準」の改訂案が作成され、パブリックコメントに付されました。これに対し、当連合会は2014年7月10日に意見書を取りまとめ、同日付けで特許庁長官へ提出いたしました。

 

 

本意見書の趣旨

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1 1 改訂案の基本的方向性について

改訂案において、登録主体ごとに主体要件を充足するか否かを判断するための具体的な確認事項を明示したこと、外国の法人を含めた各登録主体につき共通して「正当な理由がないのに、構成員たる資格を有する者の加入を拒み、又はその加入につき現在の構成員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならない旨の定め」(以下「加入自由の定め」という。)があることを法人の設立根拠法の写し等によって確認すべきことを明記したこと、及び、外国の法人の主体要件の確認に必要な文書等について、諸外国の法制度の実情に応じた対応が可能な規定としたことは、妥当なものと考える。

2 国内の登録主体について

(1) 「事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合」(「事業協同組合等」)の主体要件につき、改訂案において、①出願人が法人格を有する組合であることを「登記事項証明書その他の公的機関が発行した書面(以下「登記事項証明書等」という。)で確認することとした点、②出願の際に提出された設立根拠法の写し又は願書に記載された設立根拠法の該当条文(以下「設立根拠法の写し等」という。)において、加入自由の定めがあることを確認する、と明記した点は支持する。

(2) 法改正で新たに追加された登録主体である「商工会、商工会議所又は特定非営利活動法人」につき、各々出願の際に提出された登記事項証明書等により、出願人が商工会法により設立された商工会であること、商工会議所法により設立された商工会議所であること又は特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人であることを確認する、とした点は支持する。

3 外国の登録主体について

「事業協同組合等、商工会、商工会議所又は特定非営利活動法人に相当する外国の法人」の主体要件につき、当該外国法人の「目的」及び「加入自由の定め」を、「設立根拠法の写し等(これに準じる法令、通達、判例その他の公的機関が定めた文書で代替することが可能。以下同じ。)」において確認するとした点については、括弧書き内で設立根拠法等を代替し得る文書として挙げられている「その他の公的機関が定めた文書」とは何か、どのような文書を想定しているのかが明確ではなく、説明が必要と考える。また、目的要件の確認に関し、「公的機関が定めた文書が当該外国には制度上存在しない場合」には当該外国法人の「定款」による確認を認めているが、定款とは具体的にどのようなものを想定しているのか、また、どのような場合に「定款」で足りるのかが必ずしも明らかとはいえないので、これらの点も明確化されることが好ましい。

いずれにしても、外国の法人も国内の事業協同組合等と同等の「目的」要件及び「加入自由の定め」の要件を満たすべきことは地域団体商標制度の根幹に関わる要請であると考えられるから、主体要件を確認するための文書を当該外国の法人の存する外国の実情に応じて柔軟化しても、外国の法人について、実体的に国内の事業協同組合等よりも緩い基準が適用されることのないように適切な運用が望まれる。

4 「構成員に使用をさせる商標」について

「構成員に使用をさせる商標」について、設立根拠法の目的からして、構成員に商標を使用させることが想定されない組合が出願人である場合など、本願商標を構成員に使用させないことが明らかである場合を「構成員に使用をさせる商標」ではないものとして、判断基準をより明確化した点は支持する。


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