生活困窮者自立支援法案に対する意見書

 

 

2013年10月23日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、生活困窮者自立支援法案について意見を取りまとめ、本年10月24日付けで、厚生労働省等に提出いたしました。

本意見書の趣旨

本年1月25日、社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会の報告書(以下「報告書」という。)が公表され、その中で「新たな生活困窮者支援制度」が提案された。そして、この報告書に基づく新たな生活困窮者支援を制度化する生活困窮者自立支援法案(以下「法案」という。)が第185回国会(臨時会)に上程された。


法案は、生活困窮者に対する支援の仕組みとして従前不十分であった点を前進させる内容が盛り込まれており、方向性としては評価すべき点がある。しかし、生活困窮者が増大した原因の分析が不十分であり、さらに改善を図るべき点や懸念すべき問題点もある。


そこで、当連合会は、「新たな生活困窮者支援制度」が真に生活困窮者の支援策となることを期待し、先般国会に提出された生活困窮者自立支援法案について、意見書記載のとおり、意見を述べるものである。(以下に総論的な意見のみ掲載します。)

 

1 生活困窮者支援制度の運用を通じて生活困窮者を生み出す社会的背景を明らかにし、生活困窮者を生み出さないための制度づくりに反映させることを明記すべきである。


2 生活困窮者自立支援事業を利用することの権利性を明確にして、自己決定に基づく主体的な参加の下、全国どこでも等しく事業を利用できる体制を整え、不服申立制度を設けるべきである。


3 生活困窮者自立支援事業の対象者については、複合的な困難を抱えた人たちを広く対象に捉えるとともに、生活困窮者を積極的に見つけ出して相談支援窓口に誘導するべきである。


4 実施主体である自治体は、要保護状態の人たちに対しては、生活保護制度を活用すべきであり、生活困窮者支援制度の存在を理由として、生活保護の利用を拒否してはならないことを明記すべきである。また、自治体内部で消費生活部門や福祉・徴収等の他部門との連携体制を構築するべきである。


 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)