取調べの可視化(取調べの可視化実現本部)

取調べの可視化(取調べの全過程の録画)実現

京都弁護士会 取調べの可視化マスコットキャラクター 「カシカシカ」
現在、被疑者の取調べは「密室」で行われています

日本の刑事司法制度においては、捜査段階における被疑者の取調べは、弁護士の立会いを排除し、外部からの連絡を遮断されたいわゆる「密室」において行われています。このため、捜査官が供述者を威圧したり、利益誘導したりといった違法・不当な取調べが行われることがあります。その結果、供述者が意に反する供述を強いられたり、供述と食い違う調書が作成されたり、その精神や健康を害されるといったことが少なくありません。


「裁判の長期化」や「冤罪」の原因となっています

そのうえ、公判において、供述者が「脅されて調書に署名させられた」、「言ってもいないことを調書に書かれた」と主張しても、取調べ状況を客観的に証明する手段に乏しいため、弁護人・検察官双方の主張が不毛な水掛け論に終始することが多く、裁判の長期化や冤罪の深刻な原因となっています。


最近でも、厚労省元局長事件、足利事件、布川事件など、裁判が長期化した事例や違法・不当な取調べによる冤罪事例が多く発生しています。


取調べの全過程を録画(可視化)すべきです

取調室の中で何が行われたのかについて、はっきりした分かりやすい証拠を用意することはきわめて簡単です。取調べの最初から最後まで (取調べの全過程)を録画(可視化)しておけばよいのです。そうすれば、被告人と捜査官の言い分が違っても、録画したものを再生すれば容易に適正な判定を下すことができるでしょう。


裁判員制度成功のためにも取調べの可視化が必要です

裁判員制度が2009年5月から行われています。取調べの可視化(取調べの全過程の録画)をしないまま、裁判員となった多くの市民が、これまでと同様の不毛な水掛け論に延々と付き合うことは不可能です。取調べの全過程の録画が認められれば、取調べの様子を事後に検証することが容易になり、裁判員も判断しやすくなります。


欧米諸国だけでなく、韓国、香港、台湾などでも導入されています

今日、イギリスやアメリカのかなりの州のほか、オーストラリア、韓国、香港、台湾などでも、取調べの録画や録音を義務付ける改革が既に行われています。


また、国連の国際人権(自由権)規約委員会は、日本における被疑者取調べ制度の問題点を特に指摘して、被疑者への取調べが厳格に監視され、電気的手段により記録されるよう勧告しています。


私たちは取調べの可視化を提言しています

私たちは、いまこそ、取調べの可視化を実現して、日本の刑事司法制度を文明国の名に恥じないものにすべきと考えます。


なお、以下に述べる検察庁や警察庁での一部録画の試行は、日弁連が求めている取調べの可視化(取調べの全過程の録画)とは、全く異なるものです。あくまで、全過程の録画が必要であり、重要なのです。


一部録画ではダメ?「全過程」の録画が必要です!

現在検察庁・警察庁が行っている一部録画は、取調官に都合のよい部分だけを録画するものであり、自白強要を防ぐことはできません。裁判官や裁判員の判断を誤らせるおそれがあり、かえって危険です。


取調べの可視化(取調べの全過程の録画)がぜひとも必要なのです。


取調の可視化(全過程の録画)の実現に向けた活動
  • 意見書・会長声明等
    これまでに日弁連がとりまとめた取調べの可視化に関する意見書、会長声明等を掲載しています。
  • 総会決議、人権大会宣言・決議等
    これまでに採択された日弁連の総会決議、人権大会宣言・決議のうち、取調べの可視化について触れられているものを掲載しています。
  • パンフレット、マニュアル、ツール等
    これまでに作成したパンフレットや、「被疑者ノート」や「取調べの可視化申入書(モデル案)」等、役立つツールを掲載しています。
  • これまでに開催したイベント(シンポジウム、市民集会、研修等)
    これまでに開催した取調べの可視化に関するシンポジウム、市民集会、研修等の情報を掲載しています。
  • 各種調査
    これまでに取調べの可視化に関して行った各種調査に関する情報を掲載しています。
  • ニュース
    取調べの可視化実現本部は、年3回ニュースを発行しています。直近の活動は「取調べの可視化実現ニュース」をご参照ください。バックナンバーもご覧いただけます。