家事法制(家事法制委員会)

活動の概要

日弁連は、2004年9月に司法改革実現本部内の家庭裁判所問題プロジェクトチーム及び民事裁判手続に関する委員会から独立して、家事法制委員会を設置しました。


その目的は、家庭裁判所における家事実務の改善点を調査し、その改善策を提言することにあります。また、家事事件に関する実体法及び手続法について、法制度に関する調査研究を行い、改正に関する提言案を策定することも任務としています。


そのための具体的な活動として、最高裁との協議を行うほか、手続法分野では、家事事件手続法等の運用に関する調査研究や改正に関する提言等を行い、実体法分野では、主として離婚後の親権・監護法制に対する調査研究を行っています。


このように、日弁連は、家事法関連分野の制度運用や法改正に関し、幅広く調査研究を行い、毎年シンポジウムを行う等、積極的に活動しています。


詳しい活動内容

1 現在の活動状況

現在、離婚後の子の監護養育についての充実した制度構築を図るため、日本における共同親権制度の具体化、面会交流権の明文化及び子どもの代理人制度の導入、養育費の履行確保の方策等の検討を中心的な課題に設定して取り組んでいます。そのほか、民法772条をめぐる問題、非嫡出子差別問題、遺産関連紛争の実務運用の調査研究等も検討課題として設定し、これらの調査研究を行っています。


また、現在進行中の非訟事件手続法、家事審判法の改正作業や児童虐待防止関連制度の改正作業では、日弁連がとるべき方策の提言を行っており、国際的な子の奪取の民事面に関する条約(ハーグ条約)の批准への取り組み及び批准した場合のあるべき国内法整備施策に向けた取り組みも行っています。


そして、家族法改正作業の際に、日弁連が行うべき立法提言案を策定するため、家事法制委員会内に家族法改正プロジェクトチームを設置し、家族法の調査研究を進めています。


2 意見書

調査研究の対象としているテーマに関わる日弁連の意見書については、次のようなものがあります。なお、次の各意見書は、家事法制委員会の非訟事件手続法・家事審判法バックアップチームが中心となってとりまとめたものです。


  1. 家事審判法の見直しに関する意見書(2008年7月)
  2. 非訟事件手続法及び家事審判法の見直しに関する中間試案に対する意見書(2010年9月)

3 シンポジウム

毎年、日弁連家事法制シンポジウムを開催し、調査研究の成果を公表しております。また、近年では、離婚後の子の監護養育の制度構築に関する調査研究の成果を公表し、多くの問題提起や提言を行っています。


  1. 2002年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「家庭裁判所に何を期待するのか その現状と課題」
  2. 2003年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「子どもの立場から見た家事手続のあり方」
  3. 2004年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「家事調停のあり方を考える―当事者のための調停をめざして」(判例タイムズ1176号40頁以下、同1177号32頁以下)
  4. 2005年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「離婚訴訟はどう変わったか―新人事訴訟法の1年半をふりかえって―」(判例タイムズ1202号63頁以下、同1205号29頁以下)
  5. 2006年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「離婚と子ども―親権・監護法制の現状と展望」
  6. 2007年 日弁連家庭裁判所シンポジウム
    「離婚と子どもⅡ―共同親権を考える」
  7. 2008年 日弁連家事法制シンポジウム
    「離婚と子どもⅢ―子どもの最善の利益を考える」
  8. 2009年 日弁連家事法制シンポジウム
    「家事事件における子どもの地位―『子ども代理人』を考える」
  9. 2010年 日弁連家事法制シンポジウム
    「両親が離婚した後の親子の関わりのあり方―共同親権の展望」

4 書籍等

そのほか、日弁連では、調査研究の成果を次のような書籍でも公表しています。


  1. 財団法人日弁連法務研究財団・離婚後の子どもの親権及びに関する比較法的研究会編「子どもの福祉と共同親権―別居・離婚に伴う親権・監護法制の比較法研究」(2007年11月、日本加除出版)
  2. 日本弁護士連合会家事法制委員会編「家事事件における子どもの地位 『子ども代理人』を考える―」(2010年4月、日本加除出版)